ルセロ

3年ぶりの新作を完成させたLUCEROのBENと映画監督として活躍している弟、JEFF――南部で生まれ育ったNICHOLS兄弟の絆とは

Lucero

 
 
結成20周年を迎えたメンフィスの5人組ロックンロール・バンド、ルセロが遂に新しいアルバム『Among The Ghosts』を完成させた。
 
リリース日は8月3日。
 
前作『All A Man Should Do』から3年ぶりのリリースとなる。
 
今回は、2012年から所属していたATOから離れ、インディペンデントのアーティストをサポートしているナッシュビルのサーティー・タイガースからのリリースであることに加え、09年の『1372 Overton Park』から『All A Man Should Do』まで3作連続でプロデューサーを務めてきたテッド・ハットに代えて、ジェイソン・イズベル、マーゴ・プライス、ドライヴ・バイ・トラッカーズ他を手掛けてきたプロデューサー/エンジニア、マット・ロス・スパングと新たに組んでレコーディングを行っている。
 
心機一転という気持ちがメンバーたちにはあるようだ。
 
『1372 Overton Park』以来、レコーディングのみならず、ツアーにも連れていっていたホーン隊と一旦別れ、結成時の4人にキーボード奏者のリック・ステフを加えた5人でレコーディングしたというから、ストレートなロック・サウンドに回帰しているに違いない。
 
その一方でバンドのフロントマンであるベン・ニコルズ(Vo, G)は曲を作るにあたって、これまで以上にストーリーテリングを意識したそうだ。
 
「Back to the Night」という曲では映画『シェイプ・オブ・ウォーター』他で知られる俳優、マイケル・シャノンがナレーションを加えているという。
 
新作のソングライティングを「シネマティック」とたとえるベンは、こう付け加えている。
 
「でも、誰も見たことがないような映画なんだ」
 
 
 
 
 
 
 
リリースに先駆け、公開された「For the Lonely Ones」「To My Dearest Wife」の2曲を聴きながら、前作からの3年の間に、それぞれに家族を持った彼らが心機一転、どんなロックンロールを奏でるのか楽しみにしている。
 
 
 
Amonghteghosts Among The Ghosts (Liberty&Lament / Thirty Tigers)
 
 
『Among The Ghosts』にはベンがソロ名義で、映画『ラビング 愛という名前のふたり』に提供した「Loving」のバンド・ヴァージョンを含む計10曲を収録。
 
その『ラビング 愛という名前のふたり』は、映画監督として活躍しているベンの弟、ジェフの5作目の作品。因みにマイケル・シャノンはジェフ・ニコルズ作品の常連俳優。「Back to the Night」の客演も納得だ。
 
Jeffandmichael ジェフとマイケル・シャノン
 
 
これまでジェフは最新作の『ラビング 愛という名前のふたり』を含め、計5本の映画を監督しているが、ベンはソロ、あるいはルセロとして、全作品に楽曲を提供している。
 
ジェフのデビュー作『Shotgun Stories』(07年)は製作費25万ドルのロウバジェット作品だったから、ひょっとしたら、音楽を作る予算がなくて、兄貴を頼ったのかもしれない。しかし、その後、ジェフは監督して成功を収め、『『MUD -マッド-』(12年)、『ミッドナイト・スペシャル』(16年)といった大きなバジェットの作品を撮るようになった。
 
音楽にだって、たっぷりと予算を掛けられるだろう。実際、劇中の音楽は、2作目の『テイク・シェルター』(11年)からずっとデヴィッド・ウィンゴを起用しているが、いわゆる挿入歌やエンディング・テーマだって、いろいろな――たとえば、有名なアーティストを使ってもいいはずだ。しかし、ジェフがエンディングを含め、特に印象的な場面ではベンやルセロの曲を使いつづけているのは、彼の作品が人気アーティストの曲が多数、流れるような派手な作品ではないこともさることながら、やはり兄弟と言うか、家族の絆を大事にしているからなんじゃないだろうか。ルセロと言えば、アメリカの南部にルーツを持っていることを誇りとしているバンドだが、そこにアーカンソー出身のジェフの兄貴に負けない南部魂を感じたりも。
 
その意味では、ベンやルセロのメンバーのみならず、マイケル・シャノンやデヴィッド・ウィンゴまた、ジェフにとっては家族と言える存在なのかもしれない。

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やっと出会えたと思ったら、もうこの世にいなかったなんて、あまりにも寂しすぎるじゃないか。PORTER & THE BLUEBONNET RATTLESNAKESが遺した渾身の1枚

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2016年10月19日、ノース・カロライナ州スミスフィールドにほど近い州間高速道路で3人のミュージシャンを乗せたヴァンが後ろから猛スピードで走ってきた大型トラックに追突されるという大事故が起きた。
 
3人のミュージシャンの内、クリス・ポーター(Vo, G)とミッチェル・ヴァンダーバーグ(B)は絶命。もう一人のアダム・ナーリー(Dr)も一命は取り留めたものの、重傷を負った。
 
前夜、サウス・カロライナ州チャールストンで演奏した3人は、次の公演地であるメリーランド州ボルチモアに向かうところだったという。
 
それから約1年が過ぎた2017年11月、アラバマのインディ・レーベル、コーネリアス・チャペルがリリースしたポーター&ザ・ブルーボネット・ラトルスネークスの『Don’t Go Baby It’s Gonna Get Weird Without You』というアルバムがアメリカン・ロックのファンの間で話題になった。
 
 
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Don't Go Baby It's Gonna Get Weird Without You (Cornelius Chapel)
 
 
その『Don’t Go Baby It’s Gonna Get Weird Without You』はスミスフィールドの追突事故で亡くなったクリス・ポーターが事故に遭う8か月前、腕っこきのミュージシャン達と作り上げた渾身の1枚だったのだ――。
 
80年にアラバマ州ペル・シティーで生まれたクリス・ポーターは、チャンスを掴もうとやってきたアラバマ州最大の都市、バーミングハムで本格的に音楽活動を始めたという。それが02年。それからクリス・ポーター&ザ・ストールン・ローゼズを皮切りにバック・ロウ・バプティスツ、サム・ダーク・ホラーというバンドも結成。バック・ロウ・バプティスツ、サム・ダーク・ホラーでは、それぞれに『Broken Hearts & Bad Decisions』(10年)、『Hollow Chest』(12年)というアルバムもリリースしている。
 
その後、ソロに転じて、13年にはジョン・ポール・ホワイトのレーベル、シングル・ロックに所属しているバンド、ザ・ポリーズとポーター&ザ・ポリーズ名義でデジタル・オンリーのEPをリリース。
 
 
 
 
 
 
そして、14年に新天地を求め、バーミングハムから移り住んだテキサス州オースティンでセントロ・マティックの元メンバー、ウィル・ジョンソンの協力の下、ソロ名義のアルバム『This Red Mountain』をレコーディング。それを15年にリリースしたところ、ポーターの存在はにわかに注目され始め、その追い風を感じながらポーターが再びウィルと組んで作ったのが、『Don’t Go Baby It’s Gonna Get Weird Without You』だったのだ。
 
『This Red Mountain』の反響に手応えを感じたのだろう。『Don’t Go Baby It’s Gonna Get Weird Without You』を作るにあたって、ポーターとウィルはレコーディングのメンバーを一新。“アメリカの実生活のダークで絶望した物語”を歌うポーターの評判を全国区のものにするのにふさわしいミュージシャンを、オースティンのランブル・クリーク・スタジオに招いた。 
 
その顔ぶれは――。 
 
人気急上昇中のシンガー・ソングライター、ジョン・モアランドのサイドマンとしても注目されているシンガー・ソングライター兼マルチプレイヤー、ジョン・カルヴィン・アブニー(ギター、キーボード、アコーディオン、ペダル・スティール他)。新世代サザン・ロックの旗手、ドライヴ・バイ・トラッカーズの元メンバー、ショナ・タッカー(ベース、ハーモニー・ヴォーカル)。ドラムはプロデューサーを務めたウィルが自ら演奏した。
 
アメリカン・ロックを熱心に聴いているリスナーなら、思わず「おおっ」と身を乗り出すにちがいないミュージシャン達が奏でるのは、カントリーやブルース~ブギの影響を滲ませながら、たっぷりと歪みも含んだルーツィーなロック・サウンドだ。
 
00年代前半だったらオルタナ・カントリーと言われていただろう。中にはシンセサイザーも使って、アンビエントなサウンドを意識した曲もある。
 
ザクザク・ギュインギュインと鳴るバンドの演奏、そして、たそがれた味わいとならず者っぽい荒々しさが絶妙に入り混じるポーターの嗄れ声から筆者が連想したのは、ルセロ、ドライヴ・バイ・トラッカーズ、リッチモンド・フォンテーン、ライアン・アダムスら、オルタナ・カントリー・ブームとともに注目されたバンドばかりだった。アルバムを締めくくる「East December」からはリプレイスメンツも思い出した。
 
 
 
 
 
もちろん、新しい音楽とは言えない。むしろ、懐かしいと言ったほうがふさわしいかもしれない。しかし、こういう音楽を求めているリスナーは決して少なくない。
 
作品のクオリティーを考えても、『Don’t Go Baby It’s Gonna Get Weird Without You』はポーターにとって大きな転機になるはずだった。実際、前作以上に評判になっている。
 
享年36歳というあまりにも早すぎる死が惜しまれる。ポーター自身も悔しかったことだろう。
 
やっと出会えたと思ったら、もうこの世にいなかったなんて、あまりにも寂しすぎるじゃないか。
 
しかし、作品は残る。その魅力を伝えることでポーターのことを一人でも多くの人が知ってくれたら、彼の無念も少しは晴れるんじゃないか。そんなことを願って、『Don’t Go Baby It’s Gonna Get Weird Without You』を大音量で聴いている。
 
 
 

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Luceroが待望のライヴ・アルバムをリリース

Lucero2014

スタジオでライヴ・アルバムのポスト・プロダクションに取り組んでいることを伝えながら、かんじんのリリース日が一向に発表されないことにやきもきしていたら、ついに8月12日にリリースされることが決まった。
 
ルセロ初のライヴ・アルバムのタイトルは『Lucero : Live From Atlanta』。
 
アトランタのミッドタウンにあるターミナル・ウェストというヴェニューで3日間行ったライヴから32曲が収録されているという。
 
ライヴ・アルバムをリリースする理由は、スタジオ・ヴァージョンよりもライヴ・ヴァージョンのほうが人気がある曲を、より多くの人に聴いてほしいからだそうだ。
 
ブライアン・ヴェナブル(G)はレーナード・スキナードの「フリー・バード」を例に挙げ、「聴きたいのはスタジオ・ヴァージョンじゃなくて、17分あるライヴ・ヴァージョンのほうだろ? ライヴに行こうと思う理由はそれさ!」と自分達のライヴがスタジオ・ヴァージョンとは違うことと、それがライヴ・アルバムの聴きどころだとアピールしている。

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奇跡体験!アンビリバボー!

17日の夜、『奇跡体験!アンビリバボー!』をたまたま見ていたら、アメリカにいる知人が取り上げられていてびっくりした。

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早速、知人にそれを伝えたところ、番組のビデオを手に入れられないかと言うので、テレビ局に電話して、「昨夜、そちらの番組に友人が出てて…」と伝えると、案の定、おかしい人間と思われたみたいで、いきなり「上の者に変わります」と言われた。

まぁ、そりゃそうだろう。

結局、「本人から連絡がもらえるならまだしも、テレビ局が一視聴者に番組の録画ビデオを渡すことは難しい」とのこと。至極納得。

知人には取材スタッフの連絡先がわかるならそっちに聞いたほうが確実だよ、と伝えた。

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あけましておめでとうございます

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Luceroが「Women & Work」のミュージック・ビデオを公開

ツアーに明け暮れるあまり、ビデオ作りをこれまでファンに任せっぱなしにしてきたルセロが自ら作った「Women & Work」のミュージック・ビデオが公開された。

3月にリリースしたアルバムのタイトル・ナンバー。

撮影は参加希望者を募って、ミシシッピで行われたそうだ。

単なるバカ騒ぎをそのまま撮っただけだろうと思いきや、ツアーの移動手段がヴァンからバスにスケールアップした現在のバンドの規模を物語っているんだそうだ。

ふーん。

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Cory Brananが6年ぶりに新作をリリース。Luceroのメンバーも大推薦!

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3作目のアルバム『Mutt』をリリースしたシンガー・ソングライター、コリー・ブラナンが再び注目を集めはじめている。09年にジョン・スノッドグラス(ドラッグ・ザ・リヴァー)とスプリットLPをリリースしているものの、アルバムのリリースは前作から6年ぶりとなる。

思い返せば、02年にメンフィスのレーベル、マッドジャックから『The Hell You Say』でデビューしてきたとき、ライアン・アダムスのライバルと謳われながら、その後、大きく水をあけられた印象もあったけれど、コリーはミュージシャン仲間からは賞賛されてきた。

たとえば--。

ルセロのベン・ニコルズは「コリー・ブラナンは辛辣な閃きと、聴き手をひざまずかせる言葉を持っている」と「Tears Don't Matter Much」で歌ったし、コリーの歌に惚れこんで、たびたびライヴでカヴァーしたダッシュボード・コンフェッショナルことクリス・キャラバはコリーを、ツアー・サポートに抜擢した。

また、リヴァイヴァル・ツアーを主催してフォーク・パンク・ブームを推進してきたチャック・レーガンはリヴァイヴァル・ツアーの2012年版にコリーを招き、アルカライン・ライン・トリオのダン・アンドリアーノ、アゲインスト・ミー!のトム・ゲイベルらとともに北米をツアーした。

そんなミュージシャン仲間からの賞賛は『Mutt』をきっかけに、多くのリスナーの間に広がっていくにちがいない。

アメリカン・ミュージック・クラブのティム・ムーニーとともにレコーディングした、その『Mutt』にはシンガー・ソングライター風の楽曲や、つんのめるようなパンク・フォークといった、これまでのコリーらしい曲はもちろん、カントリー、ブルース・スプリングスティーンおよびジョン・メレンキャンプといった大先輩のスタイルを拝借したロック・ナンバー、さらにはハープの爪弾きをバックに歌う美しいバラードなど、多彩な楽曲が収録され、コリーの新境地を印象づける。

新作について、コリーは「彼はやりたいことをやっているだろ」とトム・ウェイツを例に挙げ、「俺もそれをやったんだ。言ってみれば、特大のクイジナート(ミキサー)みたいなものさ」と語っている。

そう言えば、『Mutt』にはトム・ウェイツがやりそうなジプシー・バラード風の曲も収録され、そこではトム・ウェイツのホーン・プレイヤーとして知られるラルフ・カーニーが客演。思わずニヤリとさせられる。

『Mutt』はシカゴのレーベル、ブラッドショットからのリリースだ。今年1月、コリーがブラッドショットと契約したと聞いた時は、正直、あまりピンと来なかったのだが、考えてみれば、ライアン・アダムスをソロ・デビューさせたのはブラッドショットだった。ひょっとしたら、コリーはやっと自分にふさわしいレーベルを見つけたのかもしれない。

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Mutt / Cory Branan (Bloodshot BS195)

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Luceroがオーケストラと共演

2ヶ月間にわたるツアーを終え、地元であるメンフィスに戻ってきたルセロが5月3日(木)の夜、ミングルウッド・ホールでメンフィス・シンフォニー・オーケストラと共演した。

オーケストラをもっと身近に感じてもらうためにメンフィス・シンフォニー・オーケストラが2011年11月に始めたシリーズ、Opus One。これまで同オーケストラは通常、クラシックのコンサートに使われないような会場で、ラッパーのアル・カポーン、ラテン・ジャズ・シンガーのマーセラ・ピニラら、クラシックに限らないさまざまなジャンルのミュージシャンと共演してきた。

その第3弾がルセロだった。

メンフィスでロック・バンドと言えば、ルセロ・・・という認識が定着したということか。

オーケストラとバンドは、「Sounds of the City」「What Else Would You Have Me Be」「My Best Girl」「I Can’t Stand to Leave You」「Fistful of Tears」「That Much Further West」に加え、バンドにフィドル奏者がいた頃の「Summer Song」やベンのソロ・アルバムのタイトル・ナンバー「Last Pale Light in the West」も演奏したそうだ。

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Luceroのベンの弟ジェフは期待の新進映画監督

Jeffnichols

ルセロのベンの弟、ジェフ・ニコルズが映画監督だということは知っていたけど、まさか最新作『MUD』が第65回カンヌ国際映画祭の(メインとも言える)コンペティション部門の正式出品作に選ばれるほど、注目および期待されているなんて全然知らなかった!

ちょっとびっくりしながら、ジェフのことを調べてみたら、前作の『テイク・シェルター』はカンヌ批評家週間グランプリ他、数々の賞を受賞。マシュー・マコノヒーとリース・ウィザースプーン主演の『MUD』も含め、これからの活躍が期待されているようだ。

あ、『テイク・シェルター』、日本でも劇場公開されていた・・・って全然知らなかった!!

ぼんやり生活してちゃいけないね。

ベンの「Shelter」という曲が映画に使われている。

映画館でベンの歌声を聴いてみたかった。

『テイク・シェルター』のサントラ、早速オーダーしなきゃ。

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Luceroが意外なカヴァーを発表

なぜかギターのブライアンがいない・・・。ジョンのリーゼントがカッコイイ

エンタメ系のウェブサイト、A.V.Clubとスターバックス・コーヒーによる「UNDERCOVER 2012」というシリーズにルセロが出演した。

計25組のバンドが用意された70~80年代のヒット曲のリストから選んだ曲をスタジオ・ライヴでカヴァーするこの企画。ルセロが挑戦したのは、なんとデヴィッド・ボウイの「モダン・ラヴ」!

意外な選曲にちょっとびっくりした。

ルセロの他にもパンチ・ブラザーズによるザ・カーズ等々、意外なカヴァーが楽しめる。

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