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NIKKI LANEだけじゃない!カントリー・シーンを騒がせるバッド・ガール達

Nikki Nikki Lane

 
 
みんなが待っているニッキー・レーンの新作『Highway Queen』がリリースされたら、それが追い風になって、同じようにアウトローなイメージを打ち出している女性アーティスト達が注目されるんじゃないか。
 
 
Highwayqueen Highway Queen (New West)
 
  
 
 
 
 
 
バンド活動を経て、ソロに転向したマーゴ・プライスとデビュー以来、順調にリリースを重ねてきたリディア・ラヴレス。ふたりが昨年、リリースしたアルバムがそれぞれに大歓迎されたことは、その前兆のように思える。
 
 
 
Margo Margo Price
 
 
Midwest Midwest Farmer's Daughter (Third Man)
 
歌詞の世界観、サウンドとともに70年代のアウトロー・カントリーを踏襲しながら、
バンドの演奏には若干、ガレージ/サイケ風味が加えられている。
 
 
 
 
 
 
Lydialoveless Lydia Loveless
 
 
 
Real Real / Lydia Loveless (Bloodshot)
 
前2作以上にロック色濃い作品に。
 
 
 
 
 
 
そこで、ここでは彼女達に続く存在として、すでに注目を集め始めているふたりのアーティストを取り上げてみたい。
 
ひとり目はリディア・ラヴレスが所属しているシカゴのレーベル、ブラッドショットが新たに契約したノース・カロライナ州チャペル・ヒルのサラ・シュークだ。
 
 
Sarah Sarah Shook
 
もう見た目からしてやばい雰囲気がぷんぷんだ。
 
現在、30歳のシングル・マザー。
 
キリスト教根本主義の家庭で育ったため、17歳になるまでいわゆるポピュラー・ミュージックは聴いたことがなかったそうだ。友人にベル&セバスチャンとディセンバリスツを聴かせてもらったことをきっかけにアコースティック・ギターを弾き始め、やがて厳格な家庭で育った反動なのか、カントリー・ミュージックが持っているダーク・サイドに惹かれたという。
 
結婚、出産、離婚、そしてソロ活動を経て、初めて組んだバンドの名前が、サラ・シューク&ザ・デヴィル。ノース・カロライナを拠点にライヴを行い、ファンを増やしていったが、『Seven』という7曲入りのアルバムを13年7月にリリースしたのち、ほどなく解散。その後、組んだバンドがサラ・シューク&ザ・ディスアームズだった。
 
ブラッドショットから4月28日にリリースする『Sidelong』は、実は15年に自主リリースしたアルバムのリイシューだ。まずは、そこに収録されている12曲を、より多くの人に聴いてもらってから、来年のリリースを目指して、新曲に取り組む予定だそうだ。
 
 
Sidelong Sidelong (Bloodshot)
 
 
 
 
 
 
けだるさの中に凄味が感じられる『Sidelong』収録の「Heal Me」のビデオからは、パンクあるいはグランジなメンタリティと言うかアティテュードが窺えるが、昨年の7月、「10 New Country Artists You Need to Know」の一人にサラを選んだ米ローリング・ストーンは、「クラシックなカントリーが持つ冷酷なまでの率直さに惹かれた生まれながらのパンク」と評した。
 
ブラッドショットのショウケースに出演することが決まっている今年のSXSWでもサラ・シュークと彼女のバンドは、大歓迎されるにちがいない。
 
 
 
そして、ふたり目は2月24日、『Felony Blues』をリリースするジェイミー・ワイアット。ロサンゼルスを拠点にしている彼女の経歴がなかなかすごい。
 
 
Jaime Jaime Wyatt
 
 
 
Felonyblues Felony Blues (Forty Below)
 
 
ワシントン州タコマ近郊のフォックス・アイランドにある農場で育った彼女は14歳の頃からカフェなどで歌い始めたという。
 
17歳の時、主に映画やテレビドラマのサントラをリリースしているレイクショア・レコードのオーナーに認められ、ジェイミーは04年、ジョシュ・ハーネット主演の『ホワイト・ライズ(Wicker Park)』に提供した「Light Switch」でデビュー。その後、ソロに加え、アメリカン・ブルーマーズ、キャリコ・ザ・バンドというグループも掛け持ちする彼女の活動は順調に思えた。しかし、ドラッグに溺れ、しまいにはドラッグ欲しさに売人を襲った罪で逮捕されてしまった。
 
ホンモノじゃん!!
 
つまり、『Felony Blues』は、8か月の服役とリハビリ、そして3年の保護観察を経て、音楽活動を再開したジェイミーが再起をかけて作り上げた1枚というわけだ(因みに逮捕されたことによって、大物プロデューサーと作り始めていたというアルバムはお蔵入りしてしまったし、現在、キャリコ・ザ・バンドのプロフィールではジェイミーの存在はなかったものにされている)。
 
痴情のもつれ、服役といったアウトロー・カントリーで取り上げられる題材を歌った収録曲の数々が、ほぼジェイミーの実体験だと思えば、聴こえ方もまた違うものになるにちがいない。
 
ドラッグに手を出さなければ、もしかしたらカントリー・シーンのメインストリームで活躍していたかもしれない。しかし、僕は彼女の音楽に興味を持つことはなかっただろう。こういう形で実現したジェイミーの再出発を歓迎するリスナーは、きっと少なくないはずだ。
 
『Felony Blues』にはシューター・ジェニングス、ライアン・アダムスのバッキングを務めたミュージシャンやパンチ・ブラザーズのメンバーが参加しているそうだ。60年代~70年代のカントリーやロックンロールに影響を受けたというジェイミーをバックアップする名うてのミュージシャン達の演奏も聴きごたえがありそうだ。
 
 

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