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ELLEN SUNDBERGの『White Smoke and Pines』は音響系カントリーの傑作

Ellensundberg

 
聴きたいと思いながら、ずっと聴きそびれていたエレン・サンドベリのアルバムを、たまたま中古で見つけ、早速、購入してみたところ、聴いてからしばらくは彼女のことしか考えられないぐらい気持ちを揺さぶられてしまった。こんなことならもっと早く聴いておけばよかった。
 
それが『White Smoke and Pines』。エレンが15年3月、21歳の時にリリースした2ndアルバムだ。
 
 
White White Smoke and Pines (Rootsy)
 
 
スウェーデン北部に位置する小さな町、ビャーネにある食料雑貨店で働きながら音楽活動を始めたエレンが世に出るチャンスを、どんなふうに掴んだのか詳しいことはわからない。とにかく思慮深さと大人びた風情が入り混じるソングライティングに加え、意思の強さが窺える歌声が認められ、彼女は13年8月、『Black Raven』でデビューを飾ると、早速、アルバムをサポートするため国内をツアー。さらにはアメリカのシンガー・ソングライター、イスラエル・ナッシュとともにヨーロッパを回った。因みにデビューするまで、ホームタウン以外で演奏した経験は、ほとんどなかったそうだが、彼女のパフォーマンスにすっかり魅入られてしまったのが、彼女をサポート・アクトに抜擢したイスラエル・ナッシュと彼のバンドのメンバー達だった。
 
 
Black Black Raven (Rootsy)
 
ナッシュのラブコールによって、14年2月、ナッシュが住んでいるテキサス州オースティン近郊の美しい町、ドリッピング・スプリングスでレコーディング・セッションが実現した。プロデューサーはナッシュ自ら務め、演奏はナッシュのバンドが担当。ナッシュの自宅のリビングルルームで行われたセッションを、ナッシュの作品の他、ガスライト・アンセムやカート・ヴァイルらの作品を手がけてきたエンジニア、テッド・ヤングがレコーディングした。
 
その成果が『White Smoke and Pines』なのだが、エレンの才能のみならず、この才能豊かなシンガー・ソングライターの存在を、もっと多くの人に知ってもらいたいというナッシュらの情熱も躍動感あふれる演奏とともにとらえられている。
 
胸の内からあふれ出そうになる感情をぐっと飲みこみながら、メランコリックなメロディーを何度も重ねる歌から、その感情が湧きたつようなところがいい。凄味なんて表現も使いたくなるエレンの歌を包みこむバンド・サウンドも聴きどころだ。サウンド・エフェクトを担当する“noise”とクレジットされたメンバーも参加しているのだが、前作『Black Raven』のルーツ・ロック・サウンドの延長上で、音響系ともサイケデリックとも言えるサウンドがエレンの歌の世界に奥行きを加え、ミステリスアスとも言える深い味わいを生み出している。
 
 
『White Smoke and Pines』の収録曲
 
 
アルバムの完成後、SXSWやナッシュビルで開催されたアメリカーナ・フェスト(アメリカーナ・ミュージック・フェスティバル・アンド・カンファレンス)に出演したエレンはその後、ナッシュビルの路上で歌っていたところを見出され、ホームレスら一躍、スウェーデンの人気No.1シンガーになったダグ・シーガーズとスウェーデンをツアー。その模様がダグの人生を追ったドキュメンタリーの一部として、スウェーデンでテレビ放映され、エレンの存在もより多くの人に知られることとなった。
 
エレンは昨年8月(9月?)、3作目のアルバム『Cigarette Secrets』をリリースしている。よりストレートで、より多くの人に受け入れられる作品を目指したというそこではダンサブルなビートも含め、自分の殻を破ることに挑んでいる。
 
 
Cigarette Cigarette Secrets (BGM Scandinavia)
 

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