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2016年12月

ニュージーランドの憑依系(?)フォーク・シンガー、ALDOUS HARDING

Aldousharding

 
改めてニュージーランドのルーツ・ロック~アメリカーナ・シーンに目が向いたきっかけは、ノワールな魅力もあるシンガー・ソングライター、マーロン・ウィリアムズだった。
 
その彼が今年2月にリリースしたセルフタイトルのデビュー・アルバムは、迷わず16年のアルバム・ベスト10の1枚に選ぶぐらいの愛聴盤だったが、そのアルバムをプロデュースしていたベン・エドワーズがプロデュースしているからという理由で、オーストラリアの女性シンガー・ソングライター、ジュリア・ジャックリンがニュージーランドに赴き、レコーディングしたデビュー・アルバム『Don’t Let The Kids Win』を聴いたみたところ、フォークの影響とオルタナ/ローファイ感覚、そしてオールディーズ風味が入り混じるなかなかの良作だったので、それならとベン・エドワーズの仕事を頼りにニュージーランド・シーンを掘っていったら、タミ・ニールソンオルダス・ハーディングらに出会うことができた。
 
 
Marlonwilliamsjkt Marlon Williams / Marlon Williams (Dead Oceans)
 
Juliajacklinjkt Don't Let The Kids Win / Julia Jacklin (Polyvinyl)
 
Tamineilsonjkt Don' t Be Afraid / Tami Neilson (Neilson)
 
Aldoushardingjkt Aldous Harding / Aldous Harding (Lyttleton)
 
 
同時にジュリア・ジャックリンマーロン・ウィリアムズオルダス・ハーディングらを取り上げている英ガーディアンの「A different country: why 2016’s exciting new Americana is Antipodean」という記事を見つけ、オーストラリアおよびニュージーランドの現在進行形のアメリカーナ・シーンが注目されていることもわかってきた。
 
このまま掘り続ければ、まだまだいろいろなアーティストに出会えるような気がするが、今一番、気になっているのがマーロン・ウィリアムズのガールフレンドだというオルダス・ハーディングだ。
 
ニュージーランド第2の都市、クライストチャーチ近郊の町、リトルトン出身の27歳。本名のハンナ・ハーディングで参加したフォーク・バンド、イースタンを経て、ソロに転向した彼女はベン・エドワーズとニュージーランドの怪人ミュージシャン、ディレイニー・デヴィッドソンに見出され、14年に新たな名前をタイトルに冠した『Aldous Harding』でデビュー。そこにはトラッド・フォークともアシッド・フォークとも言える自作の9曲が収められていた。
 
 

 
因みにオルダスという名前は、オルダス・ハクスリーに由来するのかと、とあるインタビューで尋ねられ、彼女は単に響きが良かったからつけたと答えている。
 
歌声に聴く者の心を搦めとるような魅力がある。
 
メランコリックな歌声とともに彼女が曲に宿らせる切迫したムードから思わず魔女系なんて言葉を思い浮かべしてしまうが、彼女が歌っている強烈な姿を見てしまうと、むしろ憑依系という言葉がふさわしいようにも思える(顔が怖い!)。
 
鬼気迫る姿に胸を射抜かれた。
 
 
 
ハーディングは来年3月、PJ・ハーヴェイの右腕として知られるジョン・パリッシュとレコーディングしたニュー・アルバム『Party』をリリースするという(パリッシュとレコーディング経験があるオーストラリアの女性シンガー・ソングライター、ローラ・ジーンのサジェスチョンだった?)。そこではフォークに止まらない新たな魅力をアピールしているそうだ。
 
『Party』のリリースが今から待ち遠しい。

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LAST HURRAH 2.0 presents Best 10 albums 2016 ②

Grapesofwrath

 
 
以前、LAST HURRAHというファンジンを作っていたとき、主に誌面で取り上げていたルーツ・ロック~アメリカーナをテーマに(でも、そこはゆる~く)2016年のベスト・アルバムを10枚ずつ選んでみたところ、他にはないおもしろいベスト10になりました。その第2弾です。
 
 
 
 
【これからの活躍が楽しみになる、かっこいいアーティストのデビューもたくさん】
by 堀口 知江(ホリグチ チエ)
 
 
Luke
■ I’m Glad Trouble Don’t Last Always / Luke Winslow‐King (Bloodshot)
 
 
Case
■ case / lang / veirs  / case / lang / veirs (Anti-)
 
 
Jessedayton
■ The Revealer / Jesse Dayton (Blue Elan)
 
 
Teddy
■ Little Windows / Teddy Thompson & Kelly Jones (Cooking Vinyl)
 
 
Nada
■ You Know Who You Are / Nada Surf (Only In Dreams)
 
 
Chelle
■ Blue Ridge Blood / Chelle Rose (Li'L Damsel)
 
 
Sera
■ Get Gone / Seratones (Fat Possum)
 
 
Xylaroo
■ Sweetooth / Xylaroo (Beat)
 
 
Margo
■ Midwest Farmer's Daughter / Margo Price (Thirdman)
 
 
Lucky
■ Coming Home / Lucky Lips (Vestkyst)
 
 
たくさん聴いた10枚を選んでみました(順不同)。
 
この中だと、ルーク・ウィンズロウ・キングのアルバムが特に心に残っています。自分を曝け出して音楽と向き合っていると、きっとそれは言葉をも超えて、人の心を揺さぶることができるなぁと改めて感じた美しいアルバムでした。
 
今年は偉大な方々の死もありましたが、これからの活躍が楽しみになる、かっこいいアーティストさんのデビューもたくさんあったのでは! セラトーンズやザイラルーは誰に聴かせても、みんなかっこいいと言ってくれたり、マーゴ・プライスはアルバムのタイトル、アートワーク、歌詞カードまで洒落ていて完璧でした。この他にもL.A.サラーミやアディア・ヴィクトリアもよかったです。
 
17年は、ニッキー・レーンの新譜が楽しみなのと、個人的にはキャット・クライド(Cat Clyde)に注目したいです。…と偉そうに言ってないで自分の活動もがんばります(笑)。
 
 
 
 
【改めて目を向けたニュージーランド・シーンに来年も期待】
by 山口 智男
 
 
Corallee
■ The Weather Vane / Coral Lee (Rhythm Bomb)
 
 
Dawes
■ We’re All Gonna Die / Dawes (Hub)
 
 
Freakwater
■ Scheherazade / Freakwater (Bloodshot)
 
 
Hamilton
■ I Had A Dream That You Were Mine / Hamilton Leithauser + Rostam (Glassnote)
 
 
Kyle
■ Dolls Of Highland / Kyle Crft (Sub Pop)
 
 
La
■ Dancing With Bad Grammar / L.A. Salami (Beat)
 
 
Leralynn
■ Resistor / Lera Lynn (Resistor)
 
 
Marlonwilliams
■ Marlon Williams / Marlon Williams (Dead Oceans)
 
 
Richmondfontaine
■ You Can’t Go back If There’s Nothing To Go Back To / Richmond Fontaine (Fluff And Gravy)
 
 
Shovelsandrope
■ Little Seeds / Shovels & Rope (New West)
 
 
アルファベット順。ドーズが一皮剥けたのは今回初めて組んだプロデューサー、ブレイク・ミルズ(サイモン・ドーズ時代のバンドメイト)によるところが大きいかもしれない。昨年のアラバマ・シェイクスといい、今回のドーズといい、ベスト10には入らなかったけど、ジム・ジェームズのソロといい、これからもミルズの仕事には注目していきたい。
 
ニュージーランド・シーンに改めて目を向けさせたマーロン・ウィリアムズを手がけたプロデューサー、ベン・エドワーズの仕事を辿っていったら、タミー・ニールソン、ジュリア・ジャックリンとつながっていった。エドワーズの仕事も今後、要注目。
 
17年はスティーヴ・ガンがプロデュースしたマイケル・チャップマン、セイディーズ、ニッキー・レーン、フレイ・フォー・ア・リフ・ラフ、そしてマーロン・ウィリアムズのガールフレンド、アルドュス・ハーディングのジョン・パリッシュプロデュースによる新作が今から楽しみだ。
 
 

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LAST HURRAH 2.0 presents Best 10 albums 2016 ➀

Grapesofwrath

 
以前、LAST HURRAHというファンジンを作っていたとき、主に誌面で取り上げていたルーツ・ロック~アメリカーナをテーマに(でも、そこはゆる~く)2016年のベスト・アルバムを10枚ずつ選んでみたところ、他にはないおもしろいベスト10になりました。
 
 
 
【他にも入れたいバンド/シンガーはたくさんいるが、今日の気分はこんなリスト】 
by 山本 尚
 
 
Dbt
① American Band / Drive by Truckers (ATO)
 
 
Wilco
② Schmilco / Wilco (Warner Music Japan) 
 
 
Andy
③ The Party / Andy Shauf (Anti-)
 
 
Johnk
④ Winter Wheat / John K. Samson (Anti-)
 
 
William
⑤ Modern Country / William Tyler (Merge)
 
 
Avett
⑥ True Sadness / The Avett Brothers (Republic)
 
 
Jay
⑦ Paging Mr. Proust / The Jayhawks (Sham)
 
 
Whi
⑧ Light Upon the Lake / Whitney (Secretly Canadian)
 
 
Lydia
⑨ Real / Lydia Loveless (Bloodshot)
 
 
Conor
⑩ Ruminations / Conor Oberst (Warner Music Japan)
 
①のDBTは聴いた瞬間、年間1位と決めた好作。いままでDBTをあまり聴いてこなかったけれど、タイトルに惹かれ聴いてみたら、最初から最後までタイトルを裏切らない素晴らしいアルバム。曲順も最高。僕の仕事の一つはデータ・ベースを構築することなのだが、このアルバムを聴くとテンションがあがり作業がすごくはかどった。
 
⑤はウィルコのドラマー、グレン・コッツェも参加している最高のインスト・アルバム。1曲目はエンドレスで聴いていられるくらい、メロディーとビートのグルーヴが心地よい。因みに、このアルバムはデータを整理する際に聴くと作業がはかどった。
 
この他にもセラトーンズ、フェリース・ブラザーズ、マーロン・ウィリアムズ、リッチモンド・フォンテーン、アーロン・リー・タスジャンなど入れたいバンド/シンガーがたくさんいるが、今日の気分はこんなリストです。きっとあまり知られていないカナダ人シンガー③、ぜひ注目を!
 
 
 
 
【悲報続きで憂鬱な一年を慰めた、いつもながらのおっさんセレクト】
by 早川 哲也
 
 
Jessedayton
■ The Revealer / Jesse Dayton (Blue Elan)
 
 
Dex
■ Carrboro / Dex Romweber (Bloodshot)
 
 
Themonsters
■ M / The Monsters (Voodoo Rhythm)
 
 
Kid_2
■ La Arana Es La Vida / Kid Congo & The PinkMonkeybirds (In The Red)
 
 
Scots
■ The Electric Pinecones / Southern Culture On The Skids (Kudzu)
 
 
Johndoe
■ The Westerner / John Doe (Cool Rock)
 
 
Kingdude
■ Sex / King Dude (Ván)
 
 
Slim
■ The Commandment’s According to SCAC / Slim Cessna’s Auto Club (Glitterhouse)
 
 
Hillbillymoon
■ With Monsters And Gods / The Hillbilly Moon Explosion (Clouds Hill)
 
 
Cohen
■ You Want It Darker / Leonard Cohen (Sony Music Japan)
 
 
アメリカーナと呼ぶには相当強引なのも混じってますが、10枚選んでみるといつもながらのおっさんセレクト(順不同)。
 
モンスターズは祝30周年!ということで、新譜と同時にリリースされたレーベル所属の濃すぎるアーティストが集結のトリビュート盤も最高。
 
女性ヴォーカル物が漏れてしまったけど、トランスヴィジョン・ヴァンプ時代から大好きなウェンディー・ジェームズの新譜はよく聴いた。
 
ボウイ、プリンス、ヴェガ、コーエン、ノートン・レコーズでお馴染みビリー・ミラー…悲報続きで憂鬱な一年でしたが、Fallen AngelsとBlue & Lonesomeな両大御所の健在ぶりは凄すぎて恐ろしいです。
 
 
 
 
LAST HURRAH 2.0 presents Best 10 albums 2016 ②につづく。

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