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ルーツ・ポップの新星、KYLE CRAFTが蘇らせるグラム・ロックの神髄

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ラグタイム風のピアノに胸が躍る「Eye Of A Hurricane」で始まるカイル・クラフトのデビュー・アルバム『Dolls Of Highland』。
 
そこそこグラマラスなルックスもさることながら、70年代のグラム・ロックを、その根っこにあるブルースやR&Bの影響とともに現代に蘇らせたポップなロックンロールの数々がクラフトの存在を際立たせている。上っ面をただなぞっただけではない。
 
曲作りの最大のインスピレーションになったというデヴィッド・ボウイを相当、聴きこんだにちがいない。デヴィッド・ボウイやT-レックス、あるいはモット・ザ・フープルの音楽を聴いたとき、華やかな見た目とは裏腹に感じる「意外に泥臭い」という戸惑いを殊更に強調していると言ったら、たぶんクラフト本人の狙いとは違うのかもしれないけど、そんなところも『Dolls Of Highland』の聴きどころ。ボウイと並ぶインスピレーションというボブ・ディランはボウイから遡った?
 
 
 
 
ルイジアナ州シュリーヴポート出身の27歳。フットボールやギターを弾くかわりにワニやガラガラヘビを獲っていた――とレーベルが作ったバイオグラフィーでは、おもしろおかしく誇張されているが、ロック・バンドなんてやって来ない田舎町の、毎週日曜日、教会に通う家庭に生まれ育ったクラフトは15歳になるまで、いわゆるポピュラー・ミュージックに興味を持つことはなかったそうだ。
 
そんな人生が一変したきっかけが友人からギターをもらい、Kマートで買ったデヴィッド・ボウイのヒット・コンピレーションを買ったことだった。ボウイの曲を聴いたクラフトは早速、オリジナル曲を作りはじめた。
 
その後、音楽活動ができる環境を求めて、ニューオーリンズ、テキサス州オースチンと渡り歩き、最終的にオレゴン州ポートランドに辿りついたクラフトが一旦、シュリーヴポートに戻り、友人の家のランドリールームでレコーディングしたのが『Dolls Of Highland』。トランペットなど、一部の楽器を除いて、全曲、クラフトひとりで全ての楽器を演奏している。
 
デモをきっかけに6年前から連絡を取っていたというサブ・ポップ・レコードにできあがったアルバムを聴いてもらったところ、若干のブラッシュアップを経て、リリースされることになった。
 
すでに米英のメディアはボウイ、ディランに加え、コックニー・レベル、スウェード、ドクター・ジョンらの名前を挙げながら、遅咲きの新人に注目しているが、こんな才能が27歳まで世に埋もれていたなんてちょっと驚きだ。
 
どこかノスタルジックなポップ・センスを閃かせる曲の魅力はもちろん、全曲、全力の熱唱というところが個人的には気に入っている。
 
 
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Dolls Of Highland (Sub Pop)

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