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NYの新進バンド、Jeremy And The Harequinsの意外な過去

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長いこと、音楽を聴いていると、思いがけない“再会”にびっくりすることがある。
 
ちょっと前に見つけ、ずっと気にしていたニューヨークの5人組、ジェレミー&ザ・ハーレクインズ。
 
彼らがマット・ヴェルタ・レイ(スピードボール・ベイビー、ヘヴィ・トラッシュ)と彼のスタジオ、N.Y. HEDで作ったデビュー・アルバム『American Dreamer』をついに手に入れた。
 
これが期待していた以上にかっこいい。
 
50年代のロックンロールや60年代のポップスの影響を受けながら、様式美の追求に逃げず、純粋に、いい曲を作っているところがいい。自ら掲げる“クラシックなアメリカン・ロック”のファンに止まらない幅広いリスナーから受け入れられるにちがいない。
 
実際、『American Dreamer』を聴き、僕が連想したのはジーン・ヴィンセント、ナンシー・シナトラ、ロネッツといった50~60年代の人達ばかりではなく、ヴァクシーン、フラテリス、それにデヴィッド・ボウイだった。
 
 
がぜんジェレミー&ザ・ハーレクインズに興味が湧き、どういうバンドなんだろうと調べてみたら、なんとヴォーカルのジェレミー・フューリーと弟のスティーヴィー(ドラムス)が、かつてオハイオでデヴィッド・ボウイの影響が色濃いウィー・アー・ザ・フューリー(We Are The Fury)というグラマラスなパンク・バンドをやっていたことが判明し、思わず、うわっと声を上げてしまった。
 
Wearethefury
 
なぜなら、そのウィー・アー・ザ・フューリー。07年のSXSWでたまたまライヴを見てすっかりヤラれてしまい、彼らがインディーからリリースした『Infinity Jest』というEPの日本盤のライナーノーツを書かせてもらったことがあったからだ。
 
 
その年の5月、ウィー・アー・ザ・フューリーはメジャー・レーベルから『Venus』というアルバムをリリース。それなりに注目されたにもかかわらず、その後、レーベルの閉鎖にともなって、レーベル契約を失ったことをきっかけに活動がストップ。ジェレミーはヘッド・オートマティカ(このバンドも好きだった)のギタリストだったクレイグ・ボニックとローマンズをスタート。その活動が現在のジェレミー&ザ・ハーレクインズに発展した……ということらしい。
 
久しぶりにウィー・アー・ザ・フューリーのCDをひっぱりだしてきて聴いてみた。改めて、いいバンドだったと実感。それと同時にサウンドやスタイルは変わっても、ジェレミーが作る音楽が芯の部分では、その頃と変わっていないことがわかった。
 
芯の部分とは、もちろんデヴィッド・ボウイの影響ではない(いや、それも少しあるけど)。純粋に、いい曲を作ろうとしている(そして、実際に作っている)ところだ。
 
昔、好きだったバンドのメンバーが音楽を続けていることがわかってうれしい。こういう“再会”ならいつでも大歓迎。
 
因みにジェレミー&ザ・ハーレクインズはすでにマット・ヴェルタ・レイと新しいアルバムのレコーディングを始めている。彼らの今後の活躍に期待している。
 
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American Dreamer (Harlequins)

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