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Ryley Walkerが誘うアメリカン・プリミティヴィズムの世界

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最初、ライリー・ウォーカーの存在を知ったとき、いつの時代のミュージシャンなのか判然としないと言うか、現代のミュージシャンとはにわかには信じられない佇まいに興味を持った。
 
彼が奏でる60年代のブリティッシュ・フォークの影響が色濃い音楽はもちろん、その風貌も、アルバムのアートワークも、ミュージック・ビデオもそのすべてが時代を超越していた。
 
 
もちろん、ウォーカーは2014年の今を生きるシンガー・ソングライター/ギタリストだ。
 
イリノイ州ロックフォード出身の24歳。
 
キャリアのスタートは12歳の時に組んだパンク・バンド。サークル・ジャークスの大ファンだったそうだ。
 
その後、ジャズやニック・ドレイクを通してブリティッシュ・フォークに魅せられたウォーカーはフィンガー・ピッキングによるギター・プレイを追求。同時にウルフ・アイズや日本のメルツバウといったノイズ・ミュージックにも夢中になったという。大学中退後はシカゴのエクスペリメンタル/ノイズ・ミュージック・シーンで活動していたと伝える記事もある。
 
その彼がなぜ、再びブリティッシュ・フォークの影響が色濃い音楽を演奏するようになったのかはちょっとわからないが、ともあれ、今年4月にリリースしたデビュー・アルバム『All Kinds Of You』はジャズの影響やヴィオラの音色が醸しだす幽玄の世界がすでにバート・ヤンシュやジョン・レンボーンといったブリティッシュ・フォークのミュージシャンのみならず、ティム・バックリー、ティム・ハーディンらの名前を引き合いに数々の音楽メディアから絶賛されている。
 
中には、フィンガー・ピッキングによるギター・プレイ(全9曲中3曲がインストだ)を取り上げ、アメリカン・プリミティヴ・ギターの新鋭と謳うメディアも少なくない。
 
個人的にはジム・モリソンを連想させるウォーカーの歌声も大きな魅力だと思うのだが、確かにウォーカーが奏でるギターは心の奥までするりと入り込み、忘我の境地に誘う心地よさがある。
 
リリースはプリミティヴという言葉が使われるアメリカのルーツ・ミュージックの発掘に力を注いでいるレーベル、トンプキンス・スクエア。
 
ギターを弾かない僕はこれまでアメリカン・プリテミティヴ・ギターについてはそれほど積極的に聴こうと思ったことはないが、ウォーカーやウォーカーのレーベル・メイトであるダニエル・バックマンをはじめ、ウィリアム・タイラー、スティーヴ・ガン、シアン・ニュージェントら、アメリカン・プリミティヴ・ギターの創始者、ジョン・フェイヒーの後継者と目されている若いミュージシャンは少なくないらしい。
 
どうやら新しい扉が開いてしまったようだ。
 
こいつはやばいなぁと思いながら、扉の向こうで待っているにちがいない新たな出会いにわくわくしている。
 
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All Kinds Of You / Ryley Walker (Tompkins Square)

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