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2014年1月

実は充実していたRoky Ericksonの80年代

Roky_675x495 Roky Erickson & The Aliens

改めて、ふり返ってみると、昨年13年、最もよく聴いたのは、『The Evil One』『Don't Slander Me』『Gremlins Have Pictures』というロッキー・エリクソンが80年代に残した3枚のアルバムだったかもしれない。

昨年の9月、シアトルのレーベル、ライト・イン・ジ・アティックが長い間、入手困難だったその3枚をリイシューしたと聞いたときは、はじめ80年代のロッキーは不調だと勝手に思い込み、その頃の曲はベスト盤で代表曲だけを聴いておけば、各アルバムを揃える必要はないと考えていた。しかし、せめて1枚ぐらいはと思い、『The Evil One』を入手してみたところ、思っていた以上に熱度の高い内容にびっくりしてしまい、「むむ。これならひょっとすると…」と胸騒ぎにも似た期待に駆られ、『Don't Slander Me』も『Gremlins Have Pictures』も入手。結局、3枚すべて揃えてしまった。

マリファナ所持による服役を終え、72年に医療刑務所から釈放されると、ロッキーはダグ・ザームらの協力によって、新バンドを結成。75年に再びライヴ活動を開始。その後、さまざまな問題を抱えながらもライヴのみならず、精力的にレコーディング活動にも取り組んでいった。

その成果が前述した3枚のアルバム。

Roky_evilone_thumb_325 The Evil One (Light In The Attic)

80年にロッキー・エリクソン&ジ・エイリアンズ名義でリリースした『The Evil One』には、「Two Headed Dog」「I Walked With A Zombie」「Bloody Hammer」という現在もロッキーが演奏しつづけている代表曲中の代表曲が収録されている。その他、「Night Of The Vampire」「It's A Cold Night For Alligators」「I Think Of Demons」「Creature With The Atom Brain」という収録曲のタイトルからも窺えるようにホラー・ロックを掲げ、13thフロアー・エレヴェーターズ時代とは一味違う――ブルー・オイスター・カルトをちょっと連想させるハード・ロッキンおよびヘヴィ・メタリックなサウンドを打ち出している。

Dontslandercopy_thumb_325 Don't Slander Me (Light In The Attic)

86年発表の『Don't Slander Me』は前作とは趣を変え、50年代のロックンロールや60年代のブリティッシュ・ビートからの影響とロッキー一流のポップ・センスがエネルギッシュな演奏とともに溶け合った快作。名曲「Starry Eyes」も収録。バディ・ホリーを思わせる「You Drive Me Crazy」は、テキサンのロッキーならでは。

Roky_germlins_thumb_325 Gremlins Have Pictures (Light In The Attic)

『Gremlins Have Pictures』は75年~82年の間にロッキーがさまざまなバンド、ミュージシャンとともに残したライヴおよびスタジオ・セッションからなる86年発表のレア・トラック集。フォーク・シンガー=ロッキー・エリクソンの魅力が堪能できる、ほぼ弾き語りに近いセッションの数々もさることながら、一番の聴きどころは何と言ってもオースティンのパンク・バンド、ジ・エクスプローシヴズがバッキングを務めたヴェルヴェット・アンダーグラウンドの「Heroin」のカヴァーだろう。ゼムの「Gloria」を下敷きにしたアレンジがかっこいい。

その他のライヴ・テイクからはその時代、ロッキーがいかにパワフルかつエネルギッシュなパフォーマンスを繰り広げていたかが窺えるが、そんなところからも80年代のロッキーが不調だったという思い込みが完全にまちがっていたことを再認識。

ロッキーと言えば、13thフロアー・エレヴェーターズ時代の活動やエキセントリックなエピソードばかりが語られがちだが、廃人になる一歩手前で、当時、歌と演奏に込めた気合と熱が今聴いても感じられるほどものすごい作品を作ってしまったんだから、エレヴェーターズ云々は抜きにして、アーティストとしていかに超人的な能力を持っていたか――3枚のアルバムを聴き、改めてそんなことを考え、ますますロッキーのことが好きになってしまったのだ。

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Matthew RyanとThe Gaslight Anthem

Matthewryan

ナッシュビルからピッツバーグに移り住んだシンガー・ソングライター、マシュー・ライアンが現在、作っているというアルバムにガスライト・アンセムのフロントマン、ブライアン・ファロンがギタリストとして参加していると聞き、新年早々、興奮してしまった。

日本では知る人ぞ知る存在(いや、アメリカでも?)。しかし、ライアンは97年にデビューしてからずっと精力的に活動を続けてきた。

これまでリリースしてきたアルバムはニールソン・ハバードと組んだバンド、ストレイズ・ドント・スリープを含めると、すでに15枚を超え、フォークやアメリカン・ロックのみならず、UKニュー・ウェイヴからの影響も窺えるアンビエントかつモダンなサウンドとメランコリックなトーンの歌声は根強い支持を集めている。

ブライアン・ファロンとはライアンがガスライト・アンセムのオープニング・アクトを務めたとき、意気投合したようだ。ともに大ファンだというクラッシュの話で盛り上がったにちがいない。

ライアンの「I Can't Steal You」を一緒に歌う2人の姿がYouTubeにアップされている。

また、新作には近年はレイチェル・ヤマガタのプロデューサー、ギタリストとしても知られているケヴィン・セイレムも参加。セイレムとはライアンがレイチェル・ヤマガタのオープニング・アクトを務めたとき、知り合ったそうだ。

そのセイレムはライアンの新作について、「自分がこれまで作ってきたのと同じくらい生々しくて、ウソ偽りのないレコードだ」と語っている。

新たな転機が訪れそうな予感! アルバムのリリースが今から楽しみだ。

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あけましておめでとうございます

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