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Kacey Musgravesが最優秀新人賞を含むグラミー4部門にノミネート

Kacey

ケイシー・マスグレイヴスがグラミー賞にノミネートされ、話題になっている。

今年3月、彼女がリリースしたメジャー・デビュー・アルバム『Same Trailer Different Park』は全米2位、全米カントリー・チャートの1位に輝いた大ヒット作だったからノミネートも当たり前と言えば、当たり前か。

ノミネートされたのは、最優秀新人賞、最優秀カントリー・アルバム(『Same Trailer Different Park』)、そして最優秀カントリー・ソングの3部門。最優秀カントリー・ソングは『Same Trailer Different Park』収録の「Merry Go 'Round」とミランダ・ランバートに提供した「Mama's Broken Heart」の2曲のノミネートなので、都合、計4部門と言ってもいいだろう。因みに計4部門ノミネートは女性ではテイラー・スウィフト、ロードと並ぶ最多なんだそうだ。

便宜上、カントリー・シンガーと捉えられているが、厚塗りのポップ・カントリーとは一線を画する『Same Trailer Different Park』のアコースティック・サウンドはバンジョーやペダル・スティールも使いながら、トラディショナルというわけではない。曲によっては、昨今の女性シンガー・ソングライターを思わせる打ち出し方もしている。スライド・ギターが鳴るブルージーな曲もある。

そんな絶妙なバランスのサウンドが人気の秘密だろう。

同時に田舎町で自分の居場所を見つけようとしている人々の人生を切り取った歌詞もマリファナや同性愛を容認するようなフレーズがキリスト教文化の下、正しい行いと贖罪を求められるカントリー界のメインストリームでは物議を醸しながらも多くの人達の共感を得ているそうだ。

『Same Trailer Different Park』からの最新シングル「Follow Your Arrow」は、そんな物議を醸したフレーズが理由で、「ラジオでのオンエアが望めない」とレーベルがシングル・カットを渋った曲。それが今回、シングル・カットされたのは、ケイシーがシングル・カットを主張しつづけたからなのか、レーベルがこの曲が醸した物議に何かしらの可能性を見出したからなのか。

テキサスの人口600人の田舎町、ゴールデン出身の25歳。

高校では人気者だったらしい。高校卒業後、シンガーを目指して、音楽シーンの盛んなオースティンに移住。

メジャー・アルバム以前に3枚のアルバムを自主リリース。テレビのオーディション番組に出演したこともあるが、ステレオタイプのカントリー・シンガーをなぞっていたその時代は、なかったことにしたい過去らしい。

その後、ナッシュビルに移り、曲を売り込むところから再スタート。

『Same Trailer Different Park』収録の「Blowin' Smoke」は、「こんな仕事、いつかやめてやる」と思いながら休憩時間にタバコを吹かしているウェイトレス達の物語。ケイシーもまた、プロのミュージシャンを目指しながら、シンデレラや人魚姫のコスプレで子供の誕生会を訪れ、パーティーを盛り上げるコンパニオンのバイトをやっていた。因みに、そのバイトは派遣会社から「メイド姿で工場のパーティーに行き、ラップダンスをしてこい」と命じられたことをきっかけにやめてしまったそうだ。

にわかに脚光を浴びはじめたカントリー界のシンデレラは実は下積み経験の持ち主だった。

『Same Trailer Different Park』からは、ポップあるいはトラディショナルどちらにでも進んでいける可能性が窺える。今後が楽しみだ。

Sametrailer

Same Trailer Different Park / Kacey Musgraves (Mercury)

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