« 旧友に助けられ、Deadstring Brothersが復活 | トップページ | Kacey Musgravesが最優秀新人賞を含むグラミー4部門にノミネート »

Blitzen Trapperが見せつけたオルタナ魂

Bt

元々、オーセンティックなアメリカン・ロック・ナンバーもレパートリーにしていたとは言え、かつてはサイケデリックなポップ感覚がフレーミング・リップスと比べられたバンドである。

その彼らがサブ・ポップからの第3弾アルバムとなった『American Goldwing』で打ち出した姿はあまりにも枯れすぎていた。

オレゴン州ポートランドの5人組、ブリッツェン・トラッパーはそのまま渋いフォーク・ロック・バンドになってしまうんだと思っていた。

ところが、その彼らが今年9月、レーベルをサブ・ポップからヴェイグラントに移籍してリリースした7作目のアルバム『VII』は、これまで追求してきたフォーク・サウンドをさらに推し進めながら、ヒップホップにもアプローチした作品なのだから驚かされる。

「『American Goldwing』とは全然違う作品にしたかったんだ」と語るバンドのフロントマン、エリック・アーリー(Vo, G)は『VII』を作るにあたって、最近、彼がよく聴いているヒップホップなど“グルーヴィー・ミュージック”を参考にしたそうだ。

バンジョーの音色とヒップホップのビートの相性がこんなにいいとは知らなかった。エリックのラップ調のヴォーカルもかなり堂に入っている。

アブストラクなサウンド・メーキングが際立つ「Oregon Geography」は、まさに21世紀のフォーク・ブルースの趣。かつてのベックを彷彿させるようなところもあるが、どうやら彼らはヒップホップにアプローチしただけでは終わらずに新しいブルース感覚も手に入れたようだ。

その意味では、「Oregon Geography」「Neck Tatts, Cadillacs」「Earth (Fever Called Love)」と並ぶ中盤がアルバム一番の聴きどころと言えるかもしれない。

そんな大胆な作風の変化は、レーベルを移籍して心機一転というところもあるのだろう。

とは言え、終盤はフォーク/カントリー・ロック路線の曲が並んでいるので、これまでのファンはご安心を。中でもアルバムの最後を飾るカントリー・ロック・ナンバーの「Don't Be A Stranger」は、彼らの新たな代表曲として、今後、ファンから愛されるにちがいない。

Vii

VII / Blitzen Trapper (Vagrant)

|

« 旧友に助けられ、Deadstring Brothersが復活 | トップページ | Kacey Musgravesが最優秀新人賞を含むグラミー4部門にノミネート »

音楽」カテゴリの記事