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2012年6月

Dan Auerbachの秘蔵っ子、Haciendaが新作をリリース

Hacienda

このルックスにシビれるね

(The Balck Keysのダン・オーバックは働き者だ その4)

謙虚さの表れなのか、照れ隠しなのか、「俺達はダンの実験台なのさ」なんて冗談めかして言っているけど、3兄弟とその従兄弟からなるテ

キサス州サンアトニオの4人組、ハシェンダはまさにダン・オーバックの秘蔵っ子と言える存在だ。

オーバックとハシェンダの出会いは6年前に遡る。

テキサス州オースティンのクラブでたまたまオーバックに出会ったハシェンダのメンバーは緊張しながら自己紹介したそうだが、その時、バンドから手渡された6曲入りのデモCDを気に入ったオーバックはその1ヵ月後、1曲ごとにアドバイスのコメントを書き、「曲が出来たらまた聴かせてほしい」とメールを送ってきて、メンバーを狂喜させた。

その後、ブラック・キーズのオースティン公演のサポート・アクトにハシェンダを起用したオーバックはオハイオ州アクロンにある完成したばかりの自前のスタジオにバンドを招き、自らのプロデュースの下、デビュー・アルバムをレコーディングするチャンスをバンドに与え、同時に当時、ブラック・キーズが所属していたファット・ポッサム・レコードに彼らを紹介した。

結局、ファット・ポッサムはハシェンダとの契約を見送ったが、その時のセッションは08年、アライヴ・ナチュラルサウンドから『Loud Is The Night』としてリリースされた。アライヴはブラック・キーズのデビュー・アルバムをリリースしたレーベルだ。オーバックによる熱烈な後押しがあったことは想像に難くない。

オーバックがどれだけハシェンダに惚れこんでいたかが窺える。

オーバックはその後もハシェンダをバックアップしつづけている。09年にはハシェンダのメンバーを、自分のソロ・ツアーのバック・バンドに起用した。

そして、ハシェンダが今年6月にリリースした3作目のアルバム『Shakedown』でも前2作にひきつづきオーバックがプロデュースを担当。いや、全曲のソングライティングのクレジットがバンドとオーバックの共作になっていることを考えると、両者の関係はプロデューサーとバンドのそれより深いものになっているようだ。

オーバックがナッシュビルに作ったスタジオ、イージー・アイ・サウンドでレコーディングされたその『Shakedown』はレトロ・ポップなガレージ・ロックという意味では彼ららしい作品だ。しかし、50~60年代のサウンドを再現しようとしていたこれまでとは違い、ブラック・キーズとデンジャー・マウスのコラボレーションを連想させる、どこかモダンな響きが加えられているところが興味深い。ブラック・キーズのレコーディングを通して、オーバックがデンジャー・マウスから吸収したノウハウを、今度はハシェンダのレコーディングで試したんじゃないか? そんなことを想像しながら耳を傾けるのも『Shakedown』の楽しみ方の一つと言えるかもしれない。

その『Shakedown』に加え、オーバックはグレース・ポッター&ザ・ノクターナルズの新作『The Lion the Beast the Beat』でも一部プロデュースを担当している。また、ハンニ・エル・カティーブの次回作のプロデュースも手掛けるらしい。

ホント、働き者だなと感心していたら、7月からはブラック・キーズの新作のレコーディングも始めるというからびっくりである。

Haciendashakedown

Shakedown / Hacienda (Collective Sounds CS015-2)

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グリーン・デイの3部作の内容が明らかに

グリーン・デイの3部作『Uno!』『Dos!』『Tre!』の内容が徐々に明らかになってきた。

メンバーが米ローリング・ストーン誌に語ったところによると、『Uno!』はパワー・ポップ、『Dos!』はガレージ・ロック、『Tre!』は大作だそう。

プロデュースを担当したロブ・カヴァロが「『ドゥーキー』の頃のシンプルさに回帰している」と語った『Uno!』について、ビリー・ジョーは「むしろド迫力のパワー・ポップ。AC/DCと初期のビートルズの中間」と説明している。

また、『Uno!』にはクラッシュの『サンディニスタ!』を連想させるダンサブルなロック・ナンバーも収録されているようだ。

『Uno!』のリリースは9月25日!(日本盤は9月26日)

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The Reigning SoundがMerge Recordsと契約

Reigningsound

90年代のガレージ・シーンの立役者、グレッグ・カートライト率いるレイニング・サウンドがイン・ザ・レッドを離れ、新たにスーパーチャンク、M.ウォードらを擁するマージ・レコードと契約。間もなく09年発表の『Love and Curse』以来となるニュー・アルバムを作りはじめるそうだ。

今回の移籍の理由について、グレッグはイン・ザ・レッドを運営しているラリー・ハーディが素晴らしい人物であることを認めたうえで、ほぼハーディ一人で切り盛りしているイン・ザ・レッドの規模に限界を感じていたことを、その一つとして挙げている。

「もう少し大きい規模のレーベルに移ったことがどれだけいい結果を生むか俺は興味があるんだ」

グレッグはそんなふうに語っている。マージ移籍がレイニング・サウンドの飛躍につながることを期待せずにいられない。

なお、グレッグのもう一つのバンド、オブリヴィアンズの15年ぶりの新作は今年2月の発表どおりイン・ザ・レッドからリリースされるそうだ。

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Kelly HoganがAnti-と契約。11年ぶりに新作を発表

Kellyhogan

ウィスコンシン在住の女性シンガー、ケリー・ホーガンがアンタイからリリースした新しいアルバム『I Like To Keep Myself In Pain』がすこぶるいい。

ブラッドショットからリリースした前作から実に11年ぶりのリリースだ。

その間、親友であるニーコ・ケイスをはじめ、アンドリュー・バード、メイヴィス・ステイプルズ他、多くのアーティストの作品にバッキング・シンガーとして参加しながら、自分の作品をレコーディングするチャンスに恵まれなかった彼女にアルバム制作の話を持ちかけたのがアンタイの社長、アンディ・コールキンだったそうだ。

ケリーがアンディと知り合ったきっかけは、現在、アンタイに所属しているニーコの紹介だったようだ。アンディがどれだけケリーの歌声に惚れこんだかは、ケリーがこれまで作ってきたアルバムの10倍の制作費を与え、アンディ自らプロデューサーまで買って出たことからも窺えるだろう。

『I Like To Keep Myself In Pain』収録の全13曲はニーコ・ケイスについて歌ったという「Golden」以外、全曲が他アーティストの作によるものだが、その顔ぶれがすごい! アンドリュー・バード、ロビン・ヒッチコック、ジョン・ラングフォード、M.ウォード、ステファン・メリット(マグネィテック・フィールズ)、ブレット&ロニー・スパークス(ハンサム・ファミリー)ら、当代きってのアーティスト達ばかりだ。中にはヴィック・チェスナットが死の直前に書いたと思しき「Ways Of This World」なんて貴重な曲もある。

しかも、全曲が書き下ろしというからびっくりだ。

共演経験があるアーティストも含め、曲を書いてほしいと思う約40人にケリーが自ら手紙を書き、直々に頼んだそうだ。決して、やっつけで曲を書いたわけでも、ボツ曲をよこしたわけでもないことは、アルバムを聴けば、想像できる。

ロサンゼルスで行われたレコーディングには、ケリーの長年のパートナー、スコット・リゴン(NRBQ)の他、ブッカー・T・ジョーンズ、ジェームズ・ギャドソン、ガブリエル・ロスという名うてのミュージシャンが参加。

そして、カントリー風味もあるソウル・アルバムの傑作が完成した。

斬新なことや奇抜なことをしなくても、いい曲と、うまいシンガー、そして的確な演奏が揃えば、リスナーをあっと言わせることはできるという見本のようなアルバムである。

憂いを含んだケリーの胸を焦がすような艶やかな歌声を堪能できる。

Kellyhoganjkt

I Like To Keep Myself In Pain / Kelly Hogan (ANti- 87164-2)

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Redd Krossが15年ぶりに新作をリリース

Reddkross

90年代の新世代パワー・ポップ・ブームを代表するバンドとして、ここ日本でもけっこう人気を集めたレッド・クロスが復活。8月7日、マージ・レコードから15年ぶりとなるニュー・アルバム『Researching The Blues』をリリースする(日本盤は8月8日)。

大好きだったバンドの復活第1弾アルバムだ。それなりの緊張とともに試聴させてもらったところ・・・。

いやぁ、正直、彼らがこんなにいいアルバムを再び作れるなんて予想していなかった。

『Third Eye』をはじめ、90年代のアルバムのようなキラキラした感じはさすがに減って、ガレージ・ロックに近づいた印象は若干あるものの、レッド・クロス印のパワー・ポップ・サウンドは健在。

何よりも30年以上のキャリアを持つ彼らがこんなにみずみずしい曲を作れるなんてちょっと驚きだ。

こんな復活なら大歓迎。

再来日公演も実現しないかしら。

Researchingtheblues

Researching The Blues / Redd Kross (Merge MRG454)

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Mumford & Sons他3バンドのツアー・ドキュメンタリー『Big Easy Express』のDVD化が決定

マムフォード&サンズ、エドワード・シャープ&ザ・マグネティック・ゼロズ、オールド・クロウ・メディシン・ショウの3バンドが「The Railroad Revival Tour」と銘打ち、2011年4月に行ったUSツアーの模様を収めたドキュメンタリー『Big Easy Express』がおもしろそうだ。

同ツアーは彼ら3バンドが50~60年代に使われていた15両編成の列車に乗って、ドンちゃん騒ぎを繰り広げながら、カリフォルニアのオークランドからルイジアナのニューオーリンズまで、およそ4000キロの道のりを旅した演奏旅行の記録。

途中、立ち寄った街の線路脇で行ったコンサートの模様に加え、3バンドの車上生活もとらえ、そこでは普段なかなか目にすることができないジャム・セッションや曲作り、さらにはレコーデイングの様子も見られるらしい。

これは絶対見たい! でも、いくらなんでも日本じゃ上映されることはないだろうなぁ、と半ばあきらめていたら、7月24日にDVDがリリースされることが発表された。

やった!

あとはDVDがリージョン・フリーであることを祈るばかりだ。

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Cory Brananが6年ぶりに新作をリリース。Luceroのメンバーも大推薦!

Corybranan

3作目のアルバム『Mutt』をリリースしたシンガー・ソングライター、コリー・ブラナンが再び注目を集めはじめている。09年にジョン・スノッドグラス(ドラッグ・ザ・リヴァー)とスプリットLPをリリースしているものの、アルバムのリリースは前作から6年ぶりとなる。

思い返せば、02年にメンフィスのレーベル、マッドジャックから『The Hell You Say』でデビューしてきたとき、ライアン・アダムスのライバルと謳われながら、その後、大きく水をあけられた印象もあったけれど、コリーはミュージシャン仲間からは賞賛されてきた。

たとえば--。

ルセロのベン・ニコルズは「コリー・ブラナンは辛辣な閃きと、聴き手をひざまずかせる言葉を持っている」と「Tears Don't Matter Much」で歌ったし、コリーの歌に惚れこんで、たびたびライヴでカヴァーしたダッシュボード・コンフェッショナルことクリス・キャラバはコリーを、ツアー・サポートに抜擢した。

また、リヴァイヴァル・ツアーを主催してフォーク・パンク・ブームを推進してきたチャック・レーガンはリヴァイヴァル・ツアーの2012年版にコリーを招き、アルカライン・ライン・トリオのダン・アンドリアーノ、アゲインスト・ミー!のトム・ゲイベルらとともに北米をツアーした。

そんなミュージシャン仲間からの賞賛は『Mutt』をきっかけに、多くのリスナーの間に広がっていくにちがいない。

アメリカン・ミュージック・クラブのティム・ムーニーとともにレコーディングした、その『Mutt』にはシンガー・ソングライター風の楽曲や、つんのめるようなパンク・フォークといった、これまでのコリーらしい曲はもちろん、カントリー、ブルース・スプリングスティーンおよびジョン・メレンキャンプといった大先輩のスタイルを拝借したロック・ナンバー、さらにはハープの爪弾きをバックに歌う美しいバラードなど、多彩な楽曲が収録され、コリーの新境地を印象づける。

新作について、コリーは「彼はやりたいことをやっているだろ」とトム・ウェイツを例に挙げ、「俺もそれをやったんだ。言ってみれば、特大のクイジナート(ミキサー)みたいなものさ」と語っている。

そう言えば、『Mutt』にはトム・ウェイツがやりそうなジプシー・バラード風の曲も収録され、そこではトム・ウェイツのホーン・プレイヤーとして知られるラルフ・カーニーが客演。思わずニヤリとさせられる。

『Mutt』はシカゴのレーベル、ブラッドショットからのリリースだ。今年1月、コリーがブラッドショットと契約したと聞いた時は、正直、あまりピンと来なかったのだが、考えてみれば、ライアン・アダムスをソロ・デビューさせたのはブラッドショットだった。ひょっとしたら、コリーはやっと自分にふさわしいレーベルを見つけたのかもしれない。

Mutt
Mutt / Cory Branan (Bloodshot BS195)

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Deer TickがLos Lobosのスティーヴ・バーリンと新作のレコーディングを開始

Deer_tick5

ディア・ティックのジョン・マッコリーがロス・ロボスのスティーヴ・バーリンと新作のレコーディングを開始したことを明らかにした。

バーリンはジョンのプロジェクト、ダイヤモンド・ラグズのメンバーの一人だった。ダイヤモンド・ラグズの活動を通して、ジョンとバーリンは親交を深めたようだ。

それにしてもジョンはどれだけ曲のストックを持ってたんだ?!

昨年10月、ディア・ティックとして4作目のアルバム『Divine Providence』をリリースしたジョンはその後、ブラック・リップス、デッド・コンフェデレートのメンバーらと新プロジェクト、ダイヤモンド・ラグズをスタートさせ、今年4月、セルフ・タイトルのデビュー・アルバムをリリースしたばかりだ。

バーリンのプロデュースの下、すでに8曲を取り終えたというディア・ティックは今年の秋、再びバーリンとスタジオに入り、アルバムを完成させるつもりらしい。リリースは来年の春頃を考えているという。

ジョンによると、新曲は『Divine Providence』よりも若干、洗練され、これまでのディア・ティックとはかなり違う雰囲気の曲もあるらしい。

「それでもディア・ティックっぽいんだ。俺達はどんな音楽だって演奏できるし、俺達が演奏すれば、どんな曲だってディア・ティックになるんだ」

ジョンは新曲についてそんなふうに語っている。

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