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Richmond Fontaineの新作は愛と狂気のロック・オペラ

Richmondfontaine

(c)Vivian Johnson 左端はデボラ・ケリー

オレゴン州ポートランドの4人組、リッチモンド・フォンテーンが9作目となるスタジオ・アルバム『The High Country』をリリースした。

バンドの成熟とともに、かつてのオルタナ・カントリーから音響系のカントリー・ロック・バンドへとバンドのイメージをアップデイトしてきた彼らは近年、本国よりもむしろヨーロッパで支持されてきた。

『The High Country』は、そんな彼らのさらなる新境地を思わせる意欲作。

インスト・ナンバーを含む全17曲で、森の奥にあるクラツカナイという田舎町で繰り広げられる愛と狂気の物語を語るいわゆるロック・オペラだ。

不幸な結婚生活に疲れた若い女と、故郷の田舎町に自分の居場所はないと考えている修理工が出会い、逃避行を計画する。しかし、若い女に歪んだ愛情を抱いた男が現れたことから2人のメロドラマは連続殺人事件に発展する・・・。

ストーリーテリングの才能を、小説家として開花させたフロントマン、ウィリー・ヴローティン(Vo, G)が小説家として精力的に行ってきた、ここ数年の創作活動をソングライティングに反映させた作品なんて言えるかもしれない。

ヒロインを演じる女性シンガー(テキサスのバンド、ダムネーションズのデボラ・ケリー)が冒頭のナレーションに加え、2曲でリード・ヴォーカルを務める他、登場人物のセリフも挿入され、架空の映画のサウンドトラックなんて趣もある。

聴きごたえは満点。

メランコリックなアコースティック・ナンバーが大半を占める中、かつての彼らを思い出させる激しいロック・ナンバーもやっているところがうれしい。

結成17年目を迎え、さらに一皮剥けたことを思わせるアルバムだ。

10年以上、リッチモンド・フォンテーンを聴きつづけてきた、またそんなことを感じられるなんて予想もしていなかった。

新作からの「Lost In The Trees」のビデオ

Thehighcountry

The Hig Country / Richmond Fontaine (El Cortez  ECR141)

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