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North Mississippi Allstarsの新作がしみる理由

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彼らの曲を聴いてかっこいいと思ったことは、これまで何度もあったけど、しみじみしたことはなかった。

全米屈指のブルース・ロック~ジャム・バンド、ノース・ミシシッピ・オールスターズ。ルーサー(G, Vo)とコディ(Dr, Vo)のディッキンソン兄弟と幼馴染みのクリス・チュウ(B, Vo)が結成した3人組。

彼らが今年2月にリリースした6thアルバム『Keys To Kingdom』は、これまでの延長上にある作品ながら、胸を打つ"歌"を聴かせ、新境地を印象づける。

中でもセンチメンタルな「How I Wish My Train Would Come」と「Hear The Hills」の2曲が特に素晴らしい。ともに曲に込めた想いがじんわりと胸に迫る名曲だ。

不意に今年の2月、Gラヴにインタビューしたとき、彼が言った言葉を思い出した。

「ほら、ルーサーは一昨年、親父さんを亡くしただろ。だから、いろいろ思うところがあったみたいだよ」

それはGラヴの最新アルバム『フィクスィン・トゥ・ダイ』に収録されている胸を打つバラード「ジャスト・ファイン」にルーサーが加えたエモーショナルなギター・ソロについて話が及んだとき、Gラヴがぽろっと言った言葉だった。

「あいつの親父さんにアルバム(95年の2ndアルバム『Coast To Coast Motel』)をプロデュースしてもらってから、ディッキンソン一家とは家族同然のつきあいをしてきたからルーサーの気持ちは俺もよくわかるよ」

『Keys To The Kingdom』のジャケットには「Produced for Jim Dickinson」というクレジットが記されている。つまり、09年8月15日に亡くなったルーサーとコディの父であり、偉大なる南部ロックの指導者でもあったジム・ディッキンソンの追悼アルバム。

そう思いながら聴いてみると、確かに「How I Wish My Train Would Come」と「Hear The Hills」の2曲はレクイエムのように聴こえる。

センチメンタルと言うかエモーショナルと言うか、『Keys To The Kingdom』がやけにしみる理由は、そういうことか。

ところで、ルーサーが「ジャスト・ファイン」のレコーディングに参加したいきさつがなかなかふるっている。

Gラヴはノース・カロライナでアヴェット・ブラザーズと新作をレコーディングしている真っ最中だった。ある時、一服しようと訪れた近所のカフェで、Gラヴは店に貼られたコンサートの告知ポスターを見て、ブラック・クロウズが町にやってくることを知った。「ひょっとしたら」と思い、当時、ブラック・クロウズでギターを弾いていたルーサーに電話をかけ、「スタジオにちょっと寄って、ギター・ソロを弾いてくれないか」と頼んでみた。ちょうどギター・ソロを加えたいと考えていた曲があった。すると、ルーサーは二つ返事で快諾してくれたそうだ。

「その場で曲を覚えてもらったんだけど、ルーサーは10回ぐらい弾いて、素晴らしいソロをキメちまったよ」

「ジャスト・ファイン」はGラヴの『フィクスィン・トゥ・ダイ』の中で僕が一番好きな曲だ。今年、SXSWでGラヴとルーサーによる共演(もちろん曲は「ジャスト・ファイン」だ)が実現したときは興奮せずにいられなかった。

Keystothekingdom

Keys To The Kingdom / North Mississippi Allstars  (Songs Of The South)

Fixintodie

Fixin' To Die / G Love  (Sony  SICP-3024)

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