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ロッキー・エリクソン

Rokyerickson

ロッキー・エリクソン w/ オッカヴィル・リヴァー

「Goodbye Sweet Dreams」を聴き、きっといいんだろうなぁとは予想はしていたが、そんな期待をはるかに上回る素晴らしい作品だ。

ロッキー・エリクソン15年ぶりの新作『True Love Cast Out All Evil』。

エリクソンのホームタウン、テキサス州オースティンのインディー・ロック・バンド、オッカヴィル・リヴァーのフロントマン、ウィル・シェフがプロデューサーを務め、彼のバンドが演奏を担当した。

13thフロア・エレヴェイターズ時代の未発表曲も含め、これまでロッキーが書き溜めてきた60曲から厳選した全12曲は、「サイケデリック・ロックのパイオニア」という一面ばかりが殊更に喧伝されてきたエリクソンが実は美しい曲を作る音楽家だったということを、改めて印象づけるものだ。(東洋の神秘への興味を含め、13thフロア・エレヴェイターズのサイケデリックな要素はエリクソンではなく、作詞とジャグを担当していたトミー・ホールが担っていたんじゃなかったか。)

サイケデリックなロック・ナンバーからフォーキーな佇まいの楽曲まで、エリクソンのイメージを巧みに踏襲しながら、楽曲が持つ世界観を具現化したオッカヴィル・リヴァーの演奏も素晴らしい。

もちろん、ニューヨーク・パンクに影響を与えた13thフロア・エレヴェイターズ、あるいはドラッグによるバッド・トリップや妄想を、子供の頃から好きだったというB級ホラー映画のイメージに重ねたホラー・ロック時代のぶっとんだノリはない。

それを求めるならば、その頃の作品を聴けばいい。

05年にリリースされた2枚組のアンソロジー『I Have Always Been Here Before』がとても便利だ。

ようやく心の平安を見つけ、枯れた味わいの歌を聴かせるエリクソンが素晴らしい。

その中で唯一、60年代~70年代の荒々しさを髣髴とさせるロック・ナンバーの「John Lawman」はやはり異色曲ということになるのだろう。

歌詞もすごい。

I kill people all day long.
I sing my song.
Because I'm John Lawman.

この3行を、エリクソンが他の曲とは全然違う鬼気迫る歌声で吠えるように繰り返すんだから戦慄せずにはいられないではないか。

ロッキー・エリクソン。64歳。

その心にはまだまだ深遠な闇が広がっているようだ。

Truelove

True Love Cast Out All Evil / Roky Erickson with Okkervil River (Anti  87078-2)

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