トップページ | 2009年11月 »

2009年10月

TAYLOR HOLLINGSWORTH

コナー・オバーストのレーベル、

チーム・ラヴから新作をリリースする

アラバマのシンガー・ソングライター

Taylor1

アラバマ州バーミンガムのシンガー・ソングライター、テイラー・ホリングスワースが11月3日、コナー・オバーストのレーベル、チーム・ラヴから1年ぶりとなる自分名義のソロ・アルバム『Life with a Slow Ear』をリリースする。

(前作『Bad Little Kitty』は確かデジタル・オンリーのリリースだったから、CDという意味では05年の『Tragic City』以来4年ぶりだ。)『Bad Little Kitty』もCDがリリースされているようだ。

この1、2年はコナー・オバースト&ザ・ミスティック・ヴァレー・バンドでギタリストとして活躍していたので――彼らが今年リリースした『Outer South』では2曲でリード・ヴォーカルも担当していた――以前に比べれば、少しは名前を知られるようになったんじゃないかと期待しているのだが、今回のチーム・ラヴからのリリースをきっかけに、もっといろいろな人に知ってもらえたらいいね。

Outer_south

左から4人目がホリングスワース。

以前の作品は、シンガー・ソングライターと言うよりは、むしろロックンローラーという言葉がふさわしい作風だったが、MySpaceで聴いた新曲「I Don't It Was The Devil」はフォーキーなブルース・ナンバーだった。

思えば、ホリングスワースはオバーストに加え、マリア・テイラーや、その弟のメイシー、妹のケイトと共演する一方で、アラバマのデクサティーンズや元ヴォン・ボンディーズ~現シルヴァー・ゴーストのマーシー・ボーレンら、ガレージ界隈のミュージシャンとも活動を共にしてきたミュージシャンだ。

久しぶりのアルバムがどんな音になっているのかが今から楽しみだ。

|

ペイヴメントの思い出

USインディーと言えば、この人達。
再結成ペイヴメントの来日ツアーが決定!

Pavement_band

来年、リユニオン・ツアーを行うと発表したペイヴメントの来日ツアーも決定した。

ペイヴメントには彼らが来日したとき、2度、インタビューさせてもらったことがある。

もう10ン年も前の話だ。

ショウビジネスとは無縁のところで純粋に音楽を楽しんでいる気のいい青年達だった。

ただ1人、スティーヴ・マルクマスを除いては。

いや、別に悪い印象はない。ただ、何と言うか、困ったちゃんと言うか、自由奔放と言うか、そもそもインタビューに応えるとか、自分の音楽について言葉で説明するとかいう発想がその頃はなかったんだろう。

新宿のプリンスホテルの喫茶店でやった1回目のインタビューでは、他のメンバーが一生懸命喋っているその横で、インタビューにすっかり飽きてしまったスティーヴは「ハナタラシ、ハナタラシ」と、どこかで覚えてきた日本のバンドの名前を延々と言いつづけていた。

「フロントマンがいいことを喋ってないと、記事としてさまにならないんですよねぇ」と、その時の担当編集者は僕が書き上げたインタビュー原稿を読んで、かなり困った様子だった。

その数年後(いや、ひょっとするとその翌年とか?)、渋谷の喫茶店の会議室でやった2回目のインタビューは、見事、スティーヴにすっぽかされた。

レコード会社の担当氏はスティーヴを探して、渋谷の街を駆け回ってくれたが、結局、捕まえられず、ちゃんと時間通りに喫茶店に現れた他のメンバー達はスティーヴの行動に腹を立て、「いつもスティーヴには迷惑をかけられているんだ。スティーヴ問題について語る、というテーマでインタビューをやろう」と言い出した。

で、何を話したんだったか。

レコードが売れたお陰でメンバーそれぞれに家を買うことができたなんて、どうでもいいことは記憶しているが、それ以外のことはすっかり忘れてしまった。

来日公演、楽しみだ。

|

シャーリー・マンソン(ガービッジ)

ロック界のディーヴァがターミネーターを怪演(?!)

Shirleymansonterminatorsarahconnorc

予告を見たとき、似ているなぁと思ったら本当にシャーリー・マンソンだった。

この10月にシーズン2の放送が始まった『ターミネーター:サラ・コナー・クロニクルズ』の話。

90年代後半~00年前半のロック・シーンに大きな足跡を残したバンド、ガービッジの紅一点シンガー、シャーリー・マンソンは、このシリーズでリキッド・タイプのターミネーターを演じている。

なんでも、同シリーズのクリエーターに出演を打診されたシャーリーはオーディションを見事勝ち抜き、女優業に進出することになったそうだ。

それにしてもだ。

美少女ターミネーター、キャメロンの活躍が話題のこのシリーズ。

そのキャメロンがロボットだからという理由だけで、仲間であるはずのサラや、その息子のジョン達からぞんざいに扱われるさまが残酷なようで、どこかコミカルにも見えるという意味で、『ターミネーター』シリーズのセルフ・パロディーなんじゃないかという気もするんだが、ということは、男子トイレの小便器がビヨーンと溶けて、それがシャーリー演じるターミネーターに変わるというシーンは、やはり爆笑するべきなんだろうな。

|

THOSE DARLINS' INTERVIEW

只今、人気急上昇中!
SXSWとボナルーを沸かせた
ウワサのかわいコちゃん達

Those_darlins2

一体、いつの時代の人達なの?!

彼女達が演奏している音楽はもちろん、ファッションも含め、そんなことを思わせるずっこけたセンスが何だかとっても頼もしい。

テネシー州マーフリーズボロの女の子3人組(+男性ドラマー)、ゾーズ・ダーリンズ。

グループ名を冠したデビュー・アルバムのリリースや、それに先駆けたSXSWやボナルー出演をきっかけに多くのメディアに取り上げられ、何やら一気に全国区の存在になりそうな気配さえ感じさせる。

大雑把に言えば、40~50年代頃のポピュラー・ミュージックが持っていた雰囲気を巧みに再現したオリジナル・ナンバーとカーター・ファミリー他のカヴァーをジャカジャカジャカと演奏した、その懐かしさとガレージ・パンクという言葉に言い換えることもできる今っぽさ、それに姦しさ――それらが老若男女、幅広い人達に大歓迎されたにちがいない。

もちろん、今のままでも十二分に魅力的。しかし、この南部のじゃじゃ馬達。磨けば、その魅力はもっともっと輝きはじめるにちがいない。

アトランタのガレージ・バンド、ブラック・リップスと仲良しで、ジョン・スペンサー率いるヘヴィ・トラッシュの新作にも参加したウワサのかわいコちゃん達にインタビューを申込んだところ、ツアー中にもかかわらず、グループを代表して、ニッキ・ダーリンが質問に答えてくれた。

●まず、自己紹介をお願いします!

「ゾーズ・ダーリンズはベース&ギターのケリー・ダーリンとギターのジェシー・ダーリンとバリトン・ウクレレの私、ニッキ・ダーリン、そしてドラムのシェリフ・リンの4人よ」

●ゾーズ・ダーリンズはいつ頃、どんなふうに活動を始めたんですか?

「3年前、テネシー州マーフリーズボロのサザン・ガールズ・ロックンロール・キャンプ(※)で知り合ったのよ。最初は、ただ一緒に演奏したり、それぞれに知っている曲を教えあったりしていただけだったんだけど、それが自然に発展して、オリジナル曲を作ったり、人前で演奏したりするようになったのよ。始めた頃は私達3人だけの女の子バンドだったんだけど、1年前にリンが加わって、精力的にツアーするようになったわ」

(※ケリーが始めた毎年恒例の夏合宿。音楽を演奏することを通して、女性の自尊心を養うことを目的としている。10歳~17歳の女の子が参加できる。ケリーはそこでギターを教えているそうだ。)

●好きなバンド/ミュージシャンと言うと?

「難しい質問ね(笑)。だって、大好きなバンドもミュージシャンもいっぱいいるもの。それに私達が音楽を作るうえでインスピレーションを受けている人達のリストだって、いくらでも作れるわよ。ただ、私達が本当に影響を受けているという意味では、思うにカーター・ファミリー、ヴェルヴェット・アンダーグラウンド、ジョー・ミーク、ワンダ・ジャクソン、ニック・ロウ、ロビン・ヒッチコック、それにラモーンズね」

●その中で最も影響を受けたのは?

「カーター・ファミリー!」

●カントリー/フォーク、ブルース、オールドタイム・ジャズ、ロックンロール、そしてパンクといった多彩な音楽の要素を持っているゾーズ・ダーリンズの音楽を、まだ一度も聴いたことがない人に紹介するとしたら、どんなふうに説明しますか?

「楽しい音楽!」

●音楽はもちろんなんですけど、みなさんのファッションもとてもユニークですね。

「私達の服のほとんどは古着屋で買ったか、友達がくれたものなのよ。中には街の人達が要らなくなった物を捨てる集積所で見つけた掘り出し物もあるわよ」

●じゃあ、好きなブランドなんかは…。

「ブランドなんて興味ないわよ。だって、私達にはブランド物を買う余裕なんてないもの」

●ところで、デビュー・アルバムはニューヨークでレコーディングしましたよね。なぜ、地元から離れたニューヨークを選んだんですか?

「場所はどこでもよかったのよ。私達がプロデュースをお願いしたいと考えていた人(ヴァンパイア・ウィークエンドなどを手がけたジェフ・カーティン)がニューヨークにいたのよ。それにナッシュヴィルは私達をカントリー・バンドだと決めつけていたしね。自分達が求めているサウンドがあっても、ナッシュヴィルでは自分達が望んでいるようにはできないのよ」

●ニューヨークでの生活はいかがでしたか?

「私達全員にとって素晴らしい経験だった」

●何かおもしろいエピソードってあります?

「そうね、ニューヨークに着いた最初の日、レコーディングも何もまだ全然始めていなかったのに、私達全員、ウィスキーを飲みすぎちゃったのよね(苦笑)。酔っ払ったら、気持ちが大きくなって、私、肉切り包丁の柄でビールの栓を抜きはじめて、しまいに左の人差し指を切って、プロデューサーの家を血の海にしちゃった! その指はいまだに感覚がないのよね。だけど、ジェシーなんてそこら中の床にもどしたのよ!! それで、その夜はお開きよ。そうそう、その時、切った指に包帯を巻かないと、私、いまだに演奏できないんだ(苦笑)」

●デビュー・アルバムの出来には満足している?

「もちろん、とても気に入っているわ!」

●今年、ゾーズ・ダーリンズはSXSWやボナルーのような大きなフェスティバルに出演して、多くのプレスから絶賛されましたね。

「私達、SXSWでもボナルーでもハジけたもの! 大歓迎されたことは、とてもうれしいわ」

●最後の質問です。ゾーズ・ダーリンズの目標は?

「世界中に笑いと素晴らしい音楽を届けること。私達に興味を持ってくれてありがとう。いつか日本に行けたらいいな。今回、インタビューしてもらえて、そんな気分が少しだけだけど、味わえたわ。ありがとう!」

Those_darlins_jkt

Those Darlins/Those Darlins (Oh Wow Dang  OWD001)

|

コールドプレイ

アメリカ人のコールドプレイ観(?!)に

ちょっとびっくり!

この10月にシーズン4の放送が始まった『BONES』を見ていたら、主人公であるボーンズことテンペランス・ブレナン博士がデートしている植物学者を、彼女の相棒と同僚の心理学者が「彼はゲイだ、ゲイだ」とからかうシーンがあった。

物語の主軸である殺人事件とは直接関係ない、ブレナンの私生活と、それにいろいろ口をはさみたがる相棒シーリー・ブース捜査官とブレナンの微妙な関係を描いた枝葉とも言えるシーンだ。

そこでブースと心理学者がいくつか挙げていた、その植物学者をゲイとする根拠の中に「コールドプレイのファンだから」というのがあって、ちょっとびっくりさせられた。

ふーん。コールドプレイってそういうイメージの音楽なのか?

言わんとしていることは、なんとなく…あくまでもなんとなくはわかるけどね。

でも、どうなんだろう? 短絡的すぎやしないか。

|

ジェシー・マリン

NYのロックンロール詩人が

快進撃を続けるサイドワンダミー・レコードに移籍!

Jessemalin

ニューヨークのロックンロール詩人、ジェシー・マリンがビリー・ジョー(グリーン・デイ)のアデライン・レコードを離れ、新たにロサンゼルスのインディー、サイドワンダミー・レコードに移籍した。

サイドワンダミーと言えば、元々は硬派パンク・レーベルとして知られていたが、フロッギング・モリー、ゴーゴル・ボルデーロウ、そして、ガスライト・アンセムのブレイクによって、近年は広義のフォーク・パンク~ルーツ・パンク路線でもユニークなレーベルの存在を印象づけている。

そう言えば、フォーク・パンク・ムーヴメントの旗手、チャック・レーガンもサイドワンダミーから素晴らしいアルバムをリリースしている。

一方、ジェシー・マリンはハードコア・バンドのハートアタック、グラム・パンク・バンドのDジェネレーションなどを経て、ソロに転じたシンガー・ソングライター。02年発表のソロ・デビュー・アルバム『The Fine Art of Self Destruction』を皮切りに、これまで計4枚のアルバム(+ライヴ・アルバム)をリリースしている。

サイドワンダミーのルーツ・パンク路線を、パンク・ロッカーによるルーツ・ミュージックの追求と解釈すれば、マリンほどサイドワンダミーにふさわしいアーティストもいないだろう。

そのマリン、ブルース・スプリングスティーンのお気に入りアーティストでもある。03年のクリスマス・ライヴにマリンを招いたスプリングスティーンは、マリンが07年にリリースした『Glitter in The Gutter』に客演して、マリンと「Broken Radio」をデュエットしている。

そういう意味では、ガスライト・アンセムの先輩とも言えるわけだ。

マリンは現在、ニュージャージーにあるソニック・ユースのスタジオでガスライト・アンセムやルセロを手がけたテッド・ハットのプロデュースの下、来年のリリースを目指して、新しいアルバムをレコーディングしているそうだ。

ガスライト・アンセム、フェイク・プロブレムズ、そしてジェシー・マリン。

個人的に気になっているバンドやアーティストを次々に迎え入れているサイドワンダミーからはますます目が離せない。

Jessemalinonyoursleevesm300x300_2 

On Your Sleeve/Jesse Malin (One Little Indian  OLI5037)

08年にリリースしたカヴァー・アルバム。
バッド・ブレインズ、ポール・サイモン、ローリング・ストーンズ、ジョニー・サンダース、ルー・リード、ニール・ヤング他、その選曲からはマリンの幅広いバックグラウンドが窺える。

|

GUN CLUB

ガン・クラブについて語りはじめると、止まらないのだ。

多くのアーティストがガン・クラブからの影響を語るとともにリスペクトの想いを込め、彼らの曲をカヴァーした。

しかし、ダートボムズのミック・コリンズはスクリューズ時代、こんなやり方で敬意を表した。

Miami_2

ガン・クラブの『Miami』

  と

スクリューズの『Make Your Monkey』

Screws20monkey_2

これは何年か前、Das Bootの早川哲也氏に教えてもらったネタ。早川氏は確か元スピードボール・ベイビー~現ヘヴィー・トラッシュのマット・ヴェルタ・レイから、この話を聞いたんじゃなかったか。

|

A tribute to Jeffrey Lee Pierce

死後10年経った現在も語り継がれる

伝説のカルト・ロッカー、ジェフリー・リー・ピアースの

トリビュート・アルバムが完成

Jlp

在りし日のピアース。

アメリカのオンライン・マガジン、BLURTが伝えるところによると、ドイツのインディー・レーベル、GLITTERHOUSEが来年1月11日に故ジェフリー・リー・ピアース(1958年-1996年)のトリビュート・アルバム『We Are Only Riders - The JLP Sessions Project』をリリースするそうだ。

さて、ジェフリー・リー・ピアースと言って、今、どれだけの人に通じるのか?

ピアースが率いていたガン・クラブは彼の死後、10年以上経った今も欧米ではカルト的な人気を誇る伝説のバンドだ。

日本では過小評価どころか、まともに評価されことすらないだけに欧米における人気は、なかなか理解しづらいとは思うが、多くのバンドが彼らの曲を取り上げていることや、彼らの活動を追ったドキュメンタリー映画が2本も作られていることを例に挙げれば、なんとなくわかってもらえるんじゃないか。

80年、ロサンゼルスのパンク・シーンで活動を開始したガン・クラブは、81年、『Fire Of Love』でデビューしたときすでに、その後、ブロークン・ブルース、オルタナ・カントリー~ゴシック・カントリーと名づけられる音楽を自分達のモノにしていた。

つまり、彼らは少なくとも10年は時代を先取りしていたわけだ。

ガン・クラブのガの字も知らずに

ジョン・スペンサーやホワイト・ストライプスを

語るなかれ

多分に八つ当たり気味ではあるけれど、百万言を費やす前に、そんなふうに言ったほうが、ロック・シーンにおけるガン・クラブおよびピアースの重要性は伝わるにちがいない。

ピアースがランブリン・ジェフリー・リー名義で92年にリリースしたフォーク・ブルース・アルバム『Ramblin’ Jeffrey Lee & Cypress Grove with Willie Love』でピアースの相棒を務めた英国人ギタリスト、サイプレス・グローヴが企画した今回のトリビュート・アルバム『We Are Only Riders - The JLP Sessions Project』は、グローヴが90年代初頭、ピアースとレコーディングした未発表曲を、ピアースの友人や、かつての共演者が改めてレコーディングした全16曲が収録されているそうだ。

グローヴは3年前、自宅の屋根裏部屋でカセットテープの束を見つけたという。そこにはグローヴのベッドルームでラジカセを使ってレコーディングしたアコースティック・セッションが入っていた。グローヴ本人も忘れられていた未発表セッションの存在に驚いたにちがいない。

ピアースの功績を後世に伝えるためにも発表しなければ――。しかし、残念なことに作品として発表できる音質ではなかったため、グローヴはそれらの曲をピアース所縁のミュージシャンにレコーディングし直してもらい、トリビュート・アルバムとしてリリースすればいいと考え、MySpaceなどを通して、参加ミュージシャン一人ひとりに連絡を取ったんだそうだ。

グローヴの尽力によって、錚々たるメンツが顔を揃えた。

収録曲は以下のとおり――。

1 Nick Cave - 'Ramblin' Mind'

2 Mark Lanegan - 'Constant Waiting'

3 The Raveonettes - 'Free To Walk'

4 Debbie Harry - 'Lucky Jim'

5 Lydia Lunch - 'My Cadillac'

6 David Eugene Edwards - 'Ramblin' Mind'

7 The Sadies - 'Constant Waiting'

8 Mark Lanegan & Isobel Campbell - 'Free To Walk'

9 Lydia Lunch - 'St. Marks Place'

10.Crippled Black Phoenix - 'Bells On The River'

11.Cypress Grove - 'Ramblin' Mind'

12.Johnny Dowd - 'Constant Waiting'

13.Nick Cave & Debbie Harry - 'Free To Walk'

14.Mick Harvey - 'The Snow Country'

15.David Eugene Edwards & Crippled Black Phoenix - 'Just Like A Mexican Love'

16.Lydia Lunch, Dave Alvin, And The JLP Sessions Project - 'Walkin' Down The Street (Doin' My Thing)'

|

ブライアン・セッツァー・オーケストラ

Bso_2

ソングス・フロム・ロンリー・アヴェニュー/ブライアン・セッツァー・オーケストラ(ビクター VICP-64767)

ブライアン・セッツァー・オーケストラ名義のオリジナル・アルバムとしては『ヴァムーム!』以来9年ぶり。しかも、これまで多くのカヴァーに取り組んできた彼が初めて全曲オリジナルで挑んだ最新アルバム『ソングス・フロム・ロンリー・アヴェニュー』を聴きながら、ブライアン・セッツァーの魅力について改めて考えてみた。(その結果はコチラ

その過程で、最新アルバムの参加ミュージシャンの中にノア・レヴィーの名前を見つけ、ちょっとびっくりした。

ノア・レヴィーと言えば、オルタナ・カントリー・ブームとともに注目を集めたミネアポリスの4人組、ハニードッグスの元ドラマー。近年はハニードッグスを離れ、セッション・ドラマーとしてマンディ・ムーアー、ファイヴ・フォー・ファイティング、ピーター・フランプトン、ボディーンズらとプレイしていた。

それは知っていた。しかし、ノアとセッツァーがにわかには結びつかなかった。

そこでノアの知人である家人にメールして確かめてもらったところ、「ブライアンはアメージングだったよ!」という答えが返ってきた。ドラマーが抜け、後任を探していたセッツァーにアルバムの共同プロデューサー、マーク・ストッカートがノアを紹介したようだ。ストッカートはミネアポリス在住のプロデューサー。たぶん、ノアとは以前からの顔見知りだったんだろう。

Honeydogs_2 

ハニードッグス時代のノア・レヴィー(一番右)

40~50年代の暗黒映画のサウンドトラックをイメージしたという『ソングス・フロム・ロンリー・アヴェニュー』は、ストレイ・キャッツ、オーケストラを通してセッツァーが追求してきたロックンロールの集大成と言える作品だ。

アイディアの斬新さでは、クラシックの名曲をスウィンギーにアレンジした前のアルバム『ウルフギャングズ・ビッグ・ナイト・アウト』に譲るものの、よりセッツァーらしいという意味では、やはり『ソングス・フロム・ロンリー・アヴェニュー』。セッツァーが全編で弾きまくるロッキンなギターはファンを狂喜させることだろう。

|

LUCERO! LUCERO!! LUCERO!!!

ガスライト・アンセムの前に彼らがいた。
メンフィスの4人組(6人組?)、ルセロがついにメジャー・デビュー!!

Lucero_new_4 

from left in the back row : Ben Nichols(Vo, G), John C. Stubblefield(B), Rick Steff(K)
from left in the front row : Todd Beene(Pedal Steel), Roy Berry(Dr), Brian Venable(G)

誤解を招きそうな書き方かもしれないけれど、これだけは声を大にして言っておきたい。

もちろん、ガスライト・アンセムを腐そうなんてつもりはこれっぽっちもないし、本国アメリカのみならず、イギリスでも大きな存在になりつつあるガスライト・アンセムの活躍によって、フォーク・パンク・ブームが注目を集めたことを否定しようとも思わない。

ただ、フォーク・パンクが今のような大きなムーヴメントになる以前から、ベン・ニコルズ率いるルセロはその先駆けとも言えることをやりつづけてきたということを知っておいてほしいだけだ。

事実、ガスライト・アンセムはデビュー間もない頃、自分達のファンから「ルセロとツアーをすれば、おまえらビッグになれるぜ」と言われていたのである。

ともあれ、10年におよぶ地道な活動が報われ、ルセロは08年3月、メジャー・レーベルと契約した。

もちろん、メジャー・レーベルと契約したからすごいと騒いでいるわけではない。メジャー・レーベルと契約することによって、可能性が広がることに期待しているのだ。

その彼らが10月6日にリリースしたメジャー第1弾アルバム『1372 Overton Park』はバンドの新たなスタートを印象づける1枚だ。

大々的なホーンの導入がすでにファンの間では物議を醸しているようだが、騒ぎ立てるようなことじゃない。そんなことよりもまずは、この1、2年の停滞ムードを吹き飛ばす溌剌とした新曲の数々に快哉を叫ぶべきだろう。

よく言えば、ルセロ(と言うかベン・ニコルズ)節。悪く言えば、ワンパターン。正直、それほど曲調に幅があるバンドではなかった。気持ちを高揚させるロックンロールと胸を打つバラードの2本立。しかし、その彼らが今回は、らしい曲に加え、「The Devil And Maggie Chascarillo」「Sixes and Sevens」「Half Way Wrong」といった、これまでにはなかったタイプの曲にも挑戦している。

Bookcover_maggs1

「The Devil And Maggie Chascarillo」のインスピレーションになったジェイム・ヘルナンデスのコミック「MAGGIE the MECHANIC」

今年3月、SXSWでリフレッシュしたバンドの姿を印象づける熱演を観てから、新作は絶対素晴らしいものになると確信はしていたが、彼らはこちらの期待をはるかに上回る作品を作り上げてきた。

文句なしの傑作。

「いい曲が揃ったよ。新作は絶対、いい物になる」

3月、自信たっぷりに語ったベンの言葉はウソではなかった。

05年のインタビュー

06年のインタビュー

1372_overton_park_cd

1372 OVERTON PARK/LUCERO (Universal Republic  B0013413-02)

|

Superfly@渋谷C.C.Lemonホール 10月16日(金)

Box_emotions

Box Emotions / Superfly (ワーナー WPCL-10740)

Superfly志帆のパワフルな歌声に圧倒された2時間だった。

Superflyと言えば、絶対、ロック・ナンバーだろうと思っていたが、意外や意外。今回のライヴでは、ミッド~バラード・ナンバーのほうが個人的にはグッと来たのだった。

そこにはユーロ・ビートとヒップホップによって、全然違うものになってしまう以前の日本のポピュラー・ミュージックの魅力が感じられた。

もちろん、よく言われるにように60~70年代の洋楽のエッセンス云々も確かにあるのだろう。

しかし、そんなことよりも何よりもまず、Superflyの音楽には今のJ・ポップにはない魅力があるからこそ、この日のライヴには9歳以下の「ちびっこ」から60代まで、まさに老若男女が集ったんじゃないか――。

ライヴを楽しみながら、ふとそんなことを考えたりもした。

「Box Emotions Tour 2009」と銘打ち、全国を回るホール・ツアーのファイナルは、12月14日の日本武道館だそうだ。

|

ウルマザーinterview

サイケデリックなグルーヴを持ったハード・ロックが

再び世界中のロック・ファンをノックアウト! 

Wolfmother_official_photo_4      

05年リリースのデビュー・アルバム『狼牙生誕!』とともにオーストラリアから世界に飛び出していったウルフマザーが世界規模のツアーを終え、実に4年ぶりとなる新作『コズミック・エッグ』をリリース。早速、バンドのフロントマン、アンドリュー・ストックデイルに話を聞いてみた。胎児や宇宙の誕生という意味を込めたアルバム・タイトルからは、メンバー・チェンジを経て、新たに4人組になった彼らがこの作品を新たなスタートと考えていることが窺える。

――昨年の8月、あなたはリズム隊の2人と袂を分かつことになりましたよね。あなたと2人の間に溝ができてしまったのには、何かきっかけがあったのでしょうか? 

「あー、僕らの間には特に溝なんてなかったんだよ。元々彼ら2人はとても仲が良くて、僕はいつも蚊帳の外に置かれてた。言ってしまえばそれだけのことなんだよな。そのうち彼らは自分達のバンドをスタートさせ、そっちでやっていきたいって……まあ、3ていうのは不思議な数字でね。マジックになることもあれば、トラジックになることもあるってことさ(苦笑)」

――新しいメンバーはどうやって決めたんですか? 

「あー、ええとね……まず、オーディションもやることはやったんだ。レーベル側が段取りをつけてくれたんでね。でも、僕は結局、1人も採用しなかった。で、ひとまず家に戻って、自宅のスタジオでとりあえず曲作りに専念することにしたんだ。で、今うちのバンドでドラムを叩いているデイヴ(・アトキンス)とは、ブリスベーンのカフェで出会って……まあ彼のバンドがプレイしているのは2、3度観たことがあって、彼が腕のいいドラマーだってことは知ってたんだけどね。で、彼に来てもらって、僕がその時に作っていた曲に合わせて叩いてもらったら、何だかその新しい曲に彼のスタイルがすごくマッチしてね。で、イアン(・ペレス)はデイヴが連れてきたんだけど、彼はベースも弾けてキーボードもできて……何曲か試してみたら、そりゃもう大活躍で(笑)。そのまま一緒にやることになった。それから、エイデン(・ネメス)は……彼と出会ったのは4年前、まだウルフマザーを始める前でね。それ以来、なぜかよくわからないけど、あちこちでしょっちゅう顔を合わせてたんだ、不思議な偶然で……別にものすごく仲良しだったわけでも何でもないんだけど、顔を合わせるたびに『ギタリスト要らない? 必要なら電話してよ』って言われてたんだよね。で、いよいよその時が来たと思って、彼に連絡を取ったってわけなんだ。デビュー・アルバムでは僕はギター・パートでいっぱいマルチ・トラッキングをやってたんだけど、もう1人ギタリストがいたら、いろいろなパートを再現できると思ってね」

――あなたが新メンバーを選ぶうえで最も重視したことは? 

「どれだけ情熱をもってプレイできるかってことだよ。体の中に炎みたいに熱く燃えるものを持っていて、その全てをプレイにぶつけてくれるかどうか……それが僕が求めてたミュージシャンの条件さ」

――07年1月に来日した時、あなたは「新作は人に聴かせることを意識して、よりエンターテイメント性を重視した作品になるかもしれない」と言っていましたよね。

「よりエンターテイメント性を重視ね……まあ、今回のアルバムはまちがいなくリスナーにとっては音の饗宴って感じだと思うよ。ヘッドフォンをつけて、リラックスして聴いてもらえれば、いろいろなサウンドが盛り込まれててすごく楽しんでもらえると思うんだ。そういう意味では、確かにエンターテイメント性を重視した作品になってるんじゃないかな」

――今回は前作のデイヴ・サーディに代えて、アラン・モウルダーをプロデューサーに起用していますが、アランと一緒にやりたいと思った理由は何ですか? 

「あー、そうだな。僕は今回のアルバムは、前作よりもっと温かい感じにしたかったんだよね。何て言うか、ナチュラルなサウンドの作品にさ。アランはライドとかスマッシング・パンプキンズとか、いろいろなタイプのアーティストを手掛けてきた人だから、その熟練技を提供してもらえたらいいなと思ったんだ。彼がスタジオの世界で長年ずっと試行錯誤を続けてきたってところもいいと思ったんだよね」

――あなた自身が考える新作の聴きどころは?

「そうだな。今回のアルバムの一番いいところは、ロウ・パワーが漲っているところだと思うんだ。エモーショナルな要素がめいっぱい入っているんだよね。たぶん、それが今回のアルバムの目指していた方向性だったんだと思う。それがこのアルバムの一番の売りだよ」

――最後に、今後のスケジュールについて教えてください。

「ああ、そうそう。年内中には日本に行けると思うよ。うちのマネジャーからさ、『日本に行くっていうオプションがあるけど、どうする? ちょうどオフにできる時期だけど……』って言われて、おいおい、何言ってんだ、当然だろう!(笑) もちろん行くよ、日本は大好きだものって答えたんだ(笑)。日本ってとても平和的で……いつもすごく穏やかな空気が流れているだろ。何て言うか、自分の中のトンガった部分が丸くなってく気がするんだ。緊張を緩めて、自分の普段のガードを少し低くすることができるんだよ、日本ではね」

Uico1172

コズミック・エッグ/ウルフマザー(ユニバーサル UICO-1172)

|

モンスターズ・オブ・フォーク

Mof

モンスターズ・オブ・フォーク/モンスターズ・オブ・フォーク(P-VINE PCD-93292)

04年にジョイント・ツアーを行ったジム・ジェームズ(マイ・モーニング・ジャケット)、コナー・オバースト(ブライト・アイズ)、M.ウォード――現代屈指のソングライターと謳われる3人がツアーだけでは飽き足らずにアルバムまで作ってしまった。

プロデューサーを務めたマイク・モギス(ブライト・アイズ)もメンバーに加わった。

こういういわゆるスーパー・グループの場合、往々にしてそれぞれのエゴやライバル意識がぶつかりあうものだが、今年の7月、フジ・ロック・フェスティバルに出演するため来日したコナーとマイクにインタビューさせてもらったとき、遠回しに聞いてみたところ、レコーディングはお互いを尊敬しあう愛に満ちていたという。 

現在、モンスターズ・オブ・フォークはテキサス州デントンのオルタナ・ルーツ・ロック・バンド、セントロ・マティックのフロントマン、ウィル・ジョンソンをドラマーに迎え、アメリカをツアーしている真っ最中。

それをきっかけにジョンソンの存在にも注目が集まったらちょっとおもしろいね。

|

JEMINA PEARL

Jemina_pearl

BREAK IT UP / JEMINA PEARL (UNIVERSAL MOTOWN  B0013465-02) 

盤を手に入れてからもうずっとエネルギーの塊と表現したいパワフルな歌声に圧倒されている。

ロック・シーンに衝撃を与えながら、確か2枚のアルバムを残しただけであっという間に解散してしまったナッシュヴィルのティーエイジ・パンク・バンド、ビー・ユア・オウン・ペットの紅一点シンガー、ジェミナ・パールのソロ・デビュー・アルバム。

ジェミナとビー・ユア・オウン・ペットのドラマーだったジョン・イーサーリーが曲を書き、ジョンがほぼ全ての楽器を演奏している――とは、とても信じられないロックンロール作品。

いや、熱気あふれる生々しいサウンドと暴走気味の演奏は、ロックンロールよりもパンク・ロックという言葉がふさわしいか。あるいは、曲の随所にオールディーズにまで遡ることができるロックンロールのトラディションが息づいていることを考えれば、ガレージ・パンク的と言うべきか。

サーストン・ムーアー(ソニック・ユース)、デイヴ・シテック(TV・オン・ザ・レイディオ)、スティーヴ・マクドナルド(元レッド・クロス)、そしてイギー・ポップが愛娘の再出発を祝うかのように曲作りや客演で参加している。

その事実からもジェミナの天賦の才が窺えるだろう。

メジャー・レーベルからのリリースにもかかわらず、とりあえず日本盤化の予定はないそうだ。いくらCDが売れない売れないと言われているご時世だからって、こんなに素晴らしいアルバムが日本盤化されないなんてもったいなさすぎる。

 

|

JENNIFER'S BODY OST

Jennifers_body

JENNIFER'S BODY MUSIC FROM THE MOTION PICTURE (FUELED BY RAMEN  7567-89664-9)

『JUNO』のシナリオを書いたディアブロ・コディのシナリオを、『ガールファイト』『イーオン・フラックス』のカリン・クサマが映画化した『JENNIFER'S BODY』。

『トランスフォーマー』のヒロイン役で売れっ子になったミーガン・フォックスが演じるハイスクールのチアリーダーが悪魔にとり憑かれ、男子生徒を食いまくるというけっこうエグいホラー映画らしい。

肉食系女子とか、それに食われる草食系男子とか、なんだか昨今の世相を反映しているんだろうか?(なんて)。

ともあれ、そのオリジナル・サウンドトラック・アルバムがちょっとおもしろい。

ポップ・パンク/エモ系のインディー・レーベル、フェルド・バイ・ラーメンがリリースしているだけあって、パニック!アット・ザ・ディスコ、パラモアの紅一点シンガー、ヘイリー・ウィリアムズ、コブラ・スターシップといったラーメン、および傘下レーベルであるピート・ウェンツのディケイダンスの看板アーティストが新曲を提供している。

本作のエグゼクティヴ・プロデューサーを務めているラーメンの社長ジョン・ジャニックは、ラーメン一押しのパラモアを全米ブレイクさせる足がかりとして、彼らを『トワイライト~初恋』に参加させたことをヒントに映画界に進出しようと目論んでいるんじゃないか?

もちろん、彼が即、映画を製作しようと考えているとは思わないが、少なくとも自分のレーベルのバンドをプロモーションする時の手段として、映画はかなり使えるぞぐらいのことは考えているはずだ。

バンド分裂後初めての新曲となるパニック!アット・ザ・ディスコの「NEW PERSPECTIVE」は、ジョン・フェルドマンがプロデュースを担当したメロディアス&ジェントルなポップ・ナンバー。

これが今後の方向性なのか、この1曲だけでは判断は難しいけど、ブレンドンが歌えば、どんな曲でもOKと思わせるだけの魅力が感じられる。

ヘイリー・ウィリアムズがソロ名義で提供した「TEENAGERS」はギターをジャカジャカとかき鳴らすフォーク・パンク・ナンバー。

昨今のフォーク・パンク・ブームを意識した? 

そう言えば、全米2位、および全英1位になったパラモアの最新アルバム『ブラン・ニュー・アイズ』にもトラディショナルなフォークからの影響が窺える「ジ・オンリー・エクセプション」と「ミスガイデッド・ゴースツ」という曲が収録されていたっけ。

それについては、ぜひ本人に質問をぶつけてみたい。

因みに『JENNIFER'S BODY』。日本公開は今のところ未定だそうだ。

|

トップページ | 2009年11月 »