無心の境地でレコーディングに臨んだDr.Dogの最新アルバム
ポップ、ルーツ・ミュージック、サイケデリック、ローファイ、レトロ…さまざまな要素が渾然一体となった音楽性が人気を博しているフィラデルフィアの6人組、ドクター・ドッグ。
全米チャートの44位に食いこんだ前作『Shame, Shame』は、なんだか小難しいことをやっているなという印象だった。
しかし、新作はシンフォニックなサウンドを離れ、再びギター・サウンドに回帰したうえで、よりトラディショナルなロック・サウンドになっていると聞き、それならばと期待していた。
そんなふうに思っていたファンは多かったようだ。バンドはそんなファンの期待に応えるような作品を完成させた。
タイトルは『Be The Void』。
もちろん、ドクター・ドッグのことだ。単にトラディショナルなロック・サウンドで終わるわけがない。
ギター・サウンドに回帰したということよりもむしろリラックスした雰囲気とともにバンドの持ち味である遊び心が全編で感じられるところが新作が前作よりも聴きごたえある作品になった大きな理由だろう。
風変わりなバンドの姿を、エネルギッシュかつルースな演奏が伝えている。
前作にはそれが足りなかった。今思えば、前作は小難しいと言うよりは、生真面目に作りすぎた作品と言うべきか。
「俺達は(新作を)あっという間に作ってしまったんだ。以前よりも自分達の決断や直感を信じていたんだよ。もちろん、不安になったり、パニックを起こしそうなったりもしたけど、突然、何もかもがうまく行っているんだから、これを台無ししちゃダメだって気づいたんだ」
スコット・マックミッケン(Vo, G)は新作についてそんなふうに語っている。
『Be The Void』というタイトルは、新作のレコーディングに「無心の境地」で臨んだとか、自分達が「空っぽ」になるまでとことんやったとかという意味かもしれないと想像が膨らんだ。
Be The Void / Dr.Dog (Anti- 87169-2)
| 固定リンク
















