ELLEN SUNDBERGの『White Smoke and Pines』は音響系カントリーの傑作

Ellensundberg

 
聴きたいと思いながら、ずっと聴きそびれていたエレン・サンドベリのアルバムを、たまたま中古で見つけ、早速、購入してみたところ、聴いてからしばらくは彼女のことしか考えられないぐらい気持ちを揺さぶられてしまった。こんなことならもっと早く聴いておけばよかった。
 
それが『White Smoke and Pines』。エレンが15年3月、21歳の時にリリースした2ndアルバムだ。
 
 
White White Smoke and Pines (Rootsy)
 
 
スウェーデン北部に位置する小さな町、ビャーネにある食料雑貨店で働きながら音楽活動を始めたエレンが世に出るチャンスを、どんなふうに掴んだのか詳しいことはわからない。とにかく思慮深さと大人びた風情が入り混じるソングライティングに加え、意思の強さが窺える歌声が認められ、彼女は13年8月、『Black Raven』でデビューを飾ると、早速、アルバムをサポートするため国内をツアー。さらにはアメリカのシンガー・ソングライター、イスラエル・ナッシュとともにヨーロッパを回った。因みにデビューするまで、ホームタウン以外で演奏した経験は、ほとんどなかったそうだが、彼女のパフォーマンスにすっかり魅入られてしまったのが、彼女をサポート・アクトに抜擢したイスラエル・ナッシュと彼のバンドのメンバー達だった。
 
 
Black Black Raven (Rootsy)
 
ナッシュのラブコールによって、14年2月、ナッシュが住んでいるテキサス州オースティン近郊の美しい町、ドリッピング・スプリングスでレコーディング・セッションが実現した。プロデューサーはナッシュ自ら務め、演奏はナッシュのバンドが担当。ナッシュの自宅のリビングルルームで行われたセッションを、ナッシュの作品の他、ガスライト・アンセムやカート・ヴァイルらの作品を手がけてきたエンジニア、テッド・ヤングがレコーディングした。
 
その成果が『White Smoke and Pines』なのだが、エレンの才能のみならず、この才能豊かなシンガー・ソングライターの存在を、もっと多くの人に知ってもらいたいというナッシュらの情熱も躍動感あふれる演奏とともにとらえられている。
 
胸の内からあふれ出そうになる感情をぐっと飲みこみながら、メランコリックなメロディーを何度も重ねる歌から、その感情が湧きたつようなところがいい。凄味なんて表現も使いたくなるエレンの歌を包みこむバンド・サウンドも聴きどころだ。サウンド・エフェクトを担当する“noise”とクレジットされたメンバーも参加しているのだが、前作『Black Raven』のルーツ・ロック・サウンドの延長上で、音響系ともサイケデリックとも言えるサウンドがエレンの歌の世界に奥行きを加え、ミステリスアスとも言える深い味わいを生み出している。
 
 
『White Smoke and Pines』の収録曲
 
 
アルバムの完成後、SXSWやナッシュビルで開催されたアメリカーナ・フェスト(アメリカーナ・ミュージック・フェスティバル・アンド・カンファレンス)に出演したエレンはその後、ナッシュビルの路上で歌っていたところを見出され、ホームレスら一躍、スウェーデンの人気No.1シンガーになったダグ・シーガーズとスウェーデンをツアー。その模様がダグの人生を追ったドキュメンタリーの一部として、スウェーデンでテレビ放映され、エレンの存在もより多くの人に知られることとなった。
 
エレンは昨年8月(9月?)、3作目のアルバム『Cigarette Secrets』をリリースしている。よりストレートで、より多くの人に受け入れられる作品を目指したというそこではダンサブルなビートも含め、自分の殻を破ることに挑んでいる。
 
 
Cigarette Cigarette Secrets (BGM Scandinavia)
 

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R.E.M.の元メンバーら80's以降のUSインディの立役者達が参加するライヴ・イベントが日本で開催!

Icestation

 
80年代のUSインディ・ロックに興味がある人なら絶対楽しめるに違いないライヴ・イベントがここ日本で開催される。それが2月7日、そして9日と10日、京都と東京で開催されるICE STATIONだ。
 
イベントの詳細は、特設サイトで!
 
ICE STATIONは北極圏における地球温暖化の影響を訴えるロンドン在住のアーティスト、ミシェル・ノアクの活動を支援するイベントとしてスタートした。15年11月、北極圏に位置するノルウェーの小さな町、ヴァドソー(バツェ)で開催された第1回目には、ピーター・バック、マイク・ミルズといったR.E.M.の元メンバーに加え、ジョン・ポール・ジョーンズ、テリー・エドワーズ、ティム・キーガンら多くのミュージシャンが参加。そして、2回目の開催となる今回の京都・東京公演の参加者として、グリーンランドのNo.1人気ロック・バンド、ナヌークとともに80年代以降のUSインディ・ロック・シーンで活躍してきたミュージシャン達が来日するというわけだ。
 
その顔ぶれはピーター・バックマイク・ミルズ、グランジ・ブームの下、改めて注目されたシアトルのパンク・バンド、ファストバックスのメンバーして知られるカート・ブロック、ヤング・フレッシュ・フェローズ、R.E.M.(のサポート)、マイナス5など、さまざまなバンドでプレイしてきたスコット・マッコーイー、80年代のガレージ/サイケ・リヴァイヴァル・ブーム=ペイズリー・アンダーグウンドの中核バンドだったドリーム・シンジケートの元リーダー、スティーヴ・ウィン、そしてウィンの奥さんで、彼のバッキング・バンド他でもプレイしているドラマー、リンダ・ピットモンの計6人。
 
 
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(左上から)カート・ブロック、ピーター・バック、スコット・マッコーイー、
マイク・ミルズ、リンダ・ピットモン、スティーヴ・ウィン
 
 
ライヴはナヌークが1時間、演奏した後、休憩をはさんで、この6人がステージに立ち、R.E.M.、ピーター・バックのソロ、マイナス5、ドリーム・シンジケート、カート・ブロック以外の5人が組んだベースボール・プロジェクトの曲を演奏する予定だという。
 
これまで何度も共演してきたメンバー達だ。きっと素晴らしい演奏を披露するに違いない。個人的にはドリーム・シンジケートの曲を聴けたらうれしい。
 
 
15年のICE STATION。
ジョン・ポール・ジョーンズを迎え、 ドリーム・シンジケートの「The Medicine Show」を
演奏している。
 
 
フォーク・ロック調のバンドが多かったペイズリー・アンダーグラウド・シーンにおいて、フィードバック・ノイズを巧みに操りながらギターを轟音で鳴らしていたドリーム・シンジケートは、個人的には同じ頃、シーンに台頭してきたR.E.M.よりも衝撃だった。レイン・パレードとカップリングだった初来日公演を、ガラガラの渋谷公会堂に見に行ったことは、いい思い出だ。
 
89年にドリーム・シンジケートが解散してからもスティーヴ・ウィンはソロのみならず、数々のサイド・プロジェクトを立ち上げながら精力的に活動してきた。何年か前、スティーヴ・ウィン&ザ・ミラクル・スリーのライヴを、オースティンのアイリッシュ・パブで見たことがあるが、その熱演は酔客達の目を釘付けにするほど迫力があった。
 
ロビン・ヒッチコックとジョイントだった06年のマイナス5の来日公演も素晴らしかった。その時はスコット・マッコーイーにインタビューする機会をいただき、大好きなリッキー・ネルソンの話で盛り上がったのだった。
 
ああ、なんだか楽しい思い出がいろいろ蘇ってきた。2月のICE STATIONもそんな楽しい思い出の一つになるような気が今からしている。
 

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あけましておめでとうございます

Photo

 
 
無事、新年を迎えることができました。

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ニュージーランドの憑依系(?)フォーク・シンガー、ALDOUS HARDING

Aldousharding

 
改めてニュージーランドのルーツ・ロック~アメリカーナ・シーンに目が向いたきっかけは、ノワールな魅力もあるシンガー・ソングライター、マーロン・ウィリアムズだった。
 
その彼が今年2月にリリースしたセルフタイトルのデビュー・アルバムは、迷わず16年のアルバム・ベスト10の1枚に選ぶぐらいの愛聴盤だったが、そのアルバムをプロデュースしていたベン・エドワーズがプロデュースしているからという理由で、オーストラリアの女性シンガー・ソングライター、ジュリア・ジャックリンがニュージーランドに赴き、レコーディングしたデビュー・アルバム『Don’t Let The Kids Win』を聴いたみたところ、フォークの影響とオルタナ/ローファイ感覚、そしてオールディーズ風味が入り混じるなかなかの良作だったので、それならとベン・エドワーズの仕事を頼りにニュージーランド・シーンを掘っていったら、タミ・ニールソンオルダス・ハーディングらに出会うことができた。
 
 
Marlonwilliamsjkt Marlon Williams / Marlon Williams (Dead Oceans)
 
Juliajacklinjkt Don't Let The Kids Win / Julia Jacklin (Polyvinyl)
 
Tamineilsonjkt Don' t Be Afraid / Tami Neilson (Neilson)
 
Aldoushardingjkt Aldous Harding / Aldous Harding (Lyttleton)
 
 
同時にジュリア・ジャックリンマーロン・ウィリアムズオルダス・ハーディングらを取り上げている英ガーディアンの「A different country: why 2016’s exciting new Americana is Antipodean」という記事を見つけ、オーストラリアおよびニュージーランドの現在進行形のアメリカーナ・シーンが注目されていることもわかってきた。
 
このまま掘り続ければ、まだまだいろいろなアーティストに出会えるような気がするが、今一番、気になっているのがマーロン・ウィリアムズのガールフレンドだというオルダス・ハーディングだ。
 
ニュージーランド第2の都市、クライストチャーチ近郊の町、リトルトン出身の27歳。本名のハンナ・ハーディングで参加したフォーク・バンド、イースタンを経て、ソロに転向した彼女はベン・エドワーズとニュージーランドの怪人ミュージシャン、ディレイニー・デヴィッドソンに見出され、14年に新たな名前をタイトルに冠した『Aldous Harding』でデビュー。そこにはトラッド・フォークともアシッド・フォークとも言える自作の9曲が収められていた。
 
 

 
因みにオルダスという名前は、オルダス・ハクスリーに由来するのかと、とあるインタビューで尋ねられ、彼女は単に響きが良かったからつけたと答えている。
 
歌声に聴く者の心を搦めとるような魅力がある。
 
メランコリックな歌声とともに彼女が曲に宿らせる切迫したムードから思わず魔女系なんて言葉を思い浮かべしてしまうが、彼女が歌っている強烈な姿を見てしまうと、むしろ憑依系という言葉がふさわしいようにも思える(顔が怖い!)。
 
鬼気迫る姿に胸を射抜かれた。
 
 
 
ハーディングは来年3月、PJ・ハーヴェイの右腕として知られるジョン・パリッシュとレコーディングしたニュー・アルバム『Party』をリリースするという(パリッシュとレコーディング経験があるオーストラリアの女性シンガー・ソングライター、ローラ・ジーンのサジェスチョンだった?)。そこではフォークに止まらない新たな魅力をアピールしているそうだ。
 
『Party』のリリースが今から待ち遠しい。

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LAST HURRAH 2.0 presents Best 10 albums 2016 ②

Grapesofwrath

 
 
以前、LAST HURRAHというファンジンを作っていたとき、主に誌面で取り上げていたルーツ・ロック~アメリカーナをテーマに(でも、そこはゆる~く)2016年のベスト・アルバムを10枚ずつ選んでみたところ、他にはないおもしろいベスト10になりました。その第2弾です。
 
 
 
 
【これからの活躍が楽しみになる、かっこいいアーティストのデビューもたくさん】
by 堀口 知江(ホリグチ チエ)
 
 
Luke
■ I’m Glad Trouble Don’t Last Always / Luke Winslow‐King (Bloodshot)
 
 
Case
■ case / lang / veirs  / case / lang / veirs (Anti-)
 
 
Jessedayton
■ The Revealer / Jesse Dayton (Blue Elan)
 
 
Teddy
■ Little Windows / Teddy Thompson & Kelly Jones (Cooking Vinyl)
 
 
Nada
■ You Know Who You Are / Nada Surf (Only In Dreams)
 
 
Chelle
■ Blue Ridge Blood / Chelle Rose (Li'L Damsel)
 
 
Sera
■ Get Gone / Seratones (Fat Possum)
 
 
Xylaroo
■ Sweetooth / Xylaroo (Beat)
 
 
Margo
■ Midwest Farmer's Daughter / Margo Price (Thirdman)
 
 
Lucky
■ Coming Home / Lucky Lips (Vestkyst)
 
 
たくさん聴いた10枚を選んでみました(順不同)。
 
この中だと、ルーク・ウィンズロウ・キングのアルバムが特に心に残っています。自分を曝け出して音楽と向き合っていると、きっとそれは言葉をも超えて、人の心を揺さぶることができるなぁと改めて感じた美しいアルバムでした。
 
今年は偉大な方々の死もありましたが、これからの活躍が楽しみになる、かっこいいアーティストさんのデビューもたくさんあったのでは! セラトーンズやザイラルーは誰に聴かせても、みんなかっこいいと言ってくれたり、マーゴ・プライスはアルバムのタイトル、アートワーク、歌詞カードまで洒落ていて完璧でした。この他にもL.A.サラーミやアディア・ヴィクトリアもよかったです。
 
17年は、ニッキー・レーンの新譜が楽しみなのと、個人的にはキャット・クライド(Cat Clyde)に注目したいです。…と偉そうに言ってないで自分の活動もがんばります(笑)。
 
 
 
 
【改めて目を向けたニュージーランド・シーンに来年も期待】
by 山口 智男
 
 
Corallee
■ The Weather Vane / Coral Lee (Rhythm Bomb)
 
 
Dawes
■ We’re All Gonna Die / Dawes (Hub)
 
 
Freakwater
■ Scheherazade / Freakwater (Bloodshot)
 
 
Hamilton
■ I Had A Dream That You Were Mine / Hamilton Leithauser + Rostam (Glassnote)
 
 
Kyle
■ Dolls Of Highland / Kyle Crft (Sub Pop)
 
 
La
■ Dancing With Bad Grammar / L.A. Salami (Beat)
 
 
Leralynn
■ Resistor / Lera Lynn (Resistor)
 
 
Marlonwilliams
■ Marlon Williams / Marlon Williams (Dead Oceans)
 
 
Richmondfontaine
■ You Can’t Go back If There’s Nothing To Go Back To / Richmond Fontaine (Fluff And Gravy)
 
 
Shovelsandrope
■ Little Seeds / Shovels & Rope (New West)
 
 
アルファベット順。ドーズが一皮剥けたのは今回初めて組んだプロデューサー、ブレイク・ミルズ(サイモン・ドーズ時代のバンドメイト)によるところが大きいかもしれない。昨年のアラバマ・シェイクスといい、今回のドーズといい、ベスト10には入らなかったけど、ジム・ジェームズのソロといい、これからもミルズの仕事には注目していきたい。
 
ニュージーランド・シーンに改めて目を向けさせたマーロン・ウィリアムズを手がけたプロデューサー、ベン・エドワーズの仕事を辿っていったら、タミー・ニールソン、ジュリア・ジャックリンとつながっていった。エドワーズの仕事も今後、要注目。
 
17年はスティーヴ・ガンがプロデュースしたマイケル・チャップマン、セイディーズ、ニッキー・レーン、フレイ・フォー・ア・リフ・ラフ、そしてマーロン・ウィリアムズのガールフレンド、アルドュス・ハーディングのジョン・パリッシュプロデュースによる新作が今から楽しみだ。
 
 

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LAST HURRAH 2.0 presents Best 10 albums 2016 ➀

Grapesofwrath

 
以前、LAST HURRAHというファンジンを作っていたとき、主に誌面で取り上げていたルーツ・ロック~アメリカーナをテーマに(でも、そこはゆる~く)2016年のベスト・アルバムを10枚ずつ選んでみたところ、他にはないおもしろいベスト10になりました。
 
 
 
【他にも入れたいバンド/シンガーはたくさんいるが、今日の気分はこんなリスト】 
by 山本 尚
 
 
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① American Band / Drive by Truckers (ATO)
 
 
Wilco
② Schmilco / Wilco (Warner Music Japan) 
 
 
Andy
③ The Party / Andy Shauf (Anti-)
 
 
Johnk
④ Winter Wheat / John K. Samson (Anti-)
 
 
William
⑤ Modern Country / William Tyler (Merge)
 
 
Avett
⑥ True Sadness / The Avett Brothers (Republic)
 
 
Jay
⑦ Paging Mr. Proust / The Jayhawks (Sham)
 
 
Whi
⑧ Light Upon the Lake / Whitney (Secretly Canadian)
 
 
Lydia
⑨ Real / Lydia Loveless (Bloodshot)
 
 
Conor
⑩ Ruminations / Conor Oberst (Warner Music Japan)
 
①のDBTは聴いた瞬間、年間1位と決めた好作。いままでDBTをあまり聴いてこなかったけれど、タイトルに惹かれ聴いてみたら、最初から最後までタイトルを裏切らない素晴らしいアルバム。曲順も最高。僕の仕事の一つはデータ・ベースを構築することなのだが、このアルバムを聴くとテンションがあがり作業がすごくはかどった。
 
⑤はウィルコのドラマー、グレン・コッツェも参加している最高のインスト・アルバム。1曲目はエンドレスで聴いていられるくらい、メロディーとビートのグルーヴが心地よい。因みに、このアルバムはデータを整理する際に聴くと作業がはかどった。
 
この他にもセラトーンズ、フェリース・ブラザーズ、マーロン・ウィリアムズ、リッチモンド・フォンテーン、アーロン・リー・タスジャンなど入れたいバンド/シンガーがたくさんいるが、今日の気分はこんなリストです。きっとあまり知られていないカナダ人シンガー③、ぜひ注目を!
 
 
 
 
【悲報続きで憂鬱な一年を慰めた、いつもながらのおっさんセレクト】
by 早川 哲也
 
 
Jessedayton
■ The Revealer / Jesse Dayton (Blue Elan)
 
 
Dex
■ Carrboro / Dex Romweber (Bloodshot)
 
 
Themonsters
■ M / The Monsters (Voodoo Rhythm)
 
 
Kid_2
■ La Arana Es La Vida / Kid Congo & The PinkMonkeybirds (In The Red)
 
 
Scots
■ The Electric Pinecones / Southern Culture On The Skids (Kudzu)
 
 
Johndoe
■ The Westerner / John Doe (Cool Rock)
 
 
Kingdude
■ Sex / King Dude (Ván)
 
 
Slim
■ The Commandment’s According to SCAC / Slim Cessna’s Auto Club (Glitterhouse)
 
 
Hillbillymoon
■ With Monsters And Gods / The Hillbilly Moon Explosion (Clouds Hill)
 
 
Cohen
■ You Want It Darker / Leonard Cohen (Sony Music Japan)
 
 
アメリカーナと呼ぶには相当強引なのも混じってますが、10枚選んでみるといつもながらのおっさんセレクト(順不同)。
 
モンスターズは祝30周年!ということで、新譜と同時にリリースされたレーベル所属の濃すぎるアーティストが集結のトリビュート盤も最高。
 
女性ヴォーカル物が漏れてしまったけど、トランスヴィジョン・ヴァンプ時代から大好きなウェンディー・ジェームズの新譜はよく聴いた。
 
ボウイ、プリンス、ヴェガ、コーエン、ノートン・レコーズでお馴染みビリー・ミラー…悲報続きで憂鬱な一年でしたが、Fallen AngelsとBlue & Lonesomeな両大御所の健在ぶりは凄すぎて恐ろしいです。
 
 
 
 
LAST HURRAH 2.0 presents Best 10 albums 2016 ②につづく。

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DRIVE BY TRUCKERSの最新アルバム『American Band』がちょっと残念な理由

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内容は申し分ない。
 
じゃあ、なぜ残念なのか。それは01年発表の『Southern Rock Opera』以降、8枚のオリジナル・アルバムを含め、ほぼ全てのアルバムのカヴァーに使われてきたウェス・フリードの絵が今回、『American Band』では使われずに写真だったからだ。
 
 
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American Band (ATO)
 
 
ドライヴ・バイ・トラッカーズのCDを買うことは、フリードの作品をコレクションすることでもある、と考えているのは、きっと僕だけではないはずだ。そんな人達にとっては一大事。
 
ブックレットの中面とCDの盤には、ちゃんとフリードの絵があしらわれているから、アメリカの現状を歌うアメリカのバンドという自負がある彼らが今回、歌おうとしているものを象徴するには、半旗として掲げた星条旗の写真を、どうしても使う必要があったということなんだろう。
 
99年にリリースしたライヴ盤『Albama Ass Whuppin'』を13年にリイシューしたとき、バンドは元々、写真を使っていたアルバム・カヴァーを、フリードの絵に改めている。そこにはフリードの絵に対する愛着が感じられる。そう言えば、パターソン・フッド(Vo&G)が09年にリリースした2枚目のソロ・アルバム『Murdering Oscar (And Other Love Songs)』のカヴァーもフリードの絵だった。
 
 
Southernrockoperajkt_2
Southern Rock Opera (Lost Highway)
 
 
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Alabama Ass Whuppin' (ATO)
 
 
Murderingoscarjkt
Murdering Oscar (And Other Love Songs) / Patterson Hood (Ruth St.)
 
 
それでも今回は、この写真が使いたかった。
 
それを考えながら、『American Band』を聴けば、きっと曲の聴こえ方もバンドがそこに込めたメッセージの重みも違ったものになるはずだ。

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私生活の変化が作風に表れたLUKE WINSLOW KINGの最新作

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ニューオーリンズのミュージシャン、ルーク・ウィンズロウ・キングのブラッドショット・レコードからの3作目となる『I’m Glad Trouble Don’t Last Always』のアルバム・カヴァーを見たとき、ちょっとびっくりだった。
 
なぜなら、前作『Everlasting Arms』ではルークともとにアルバム・カヴァーに登場し、前々作『The Coming Tide』では写真にこそ写っていないものの、「Featuring Esther Rose」とクレジットされていた公私にわたるパートナー、エスター・ローズ・キングの姿も名前もなかったからだ。
 
あれっと思い、ブックレットでレコーディングの参加メンバーを確かめてみたところ、そこにもエスターの名前はなかった。どういうことなんだろうとブックレットの左隅に目をやると、「This album is dedicated to Esther Rose King」という書き出しで、彼女に対する感謝に加え、喪失と傷心の思いが綴られていた。
 
なんとルークはエスターと離婚していたのだった。
 
離婚の直前、ルークはマリファナ所持の罪で逮捕、収監されたというから、ひょっとしたらエスターから三行半を突きつけられたのかもしれない。
 
ともあれ、『I’m Glad Trouble Don’t Last Always』の収録曲は、離婚の話し合いの最中に書かれたものばかりだそうだ。
 
「自分のファンに対して正直にならなきゃいけないし、それには自分自身を曝け出さなきゃいけないと感じていた」
 
ルークは新作について、そんなふうに語っているが、アルバム表題曲や「No More Crying Today」が再出発を思わせる一方で、「Change Your Mind」「Heartsick Blues」「Esther Please」「Act Like You Love Me」といったタイトルからはエスターに対するルークの未練が窺えはしないだろうか? 「Act Like You Love Me」なんて曲調がバウンシーなだけにかえって痛々しい。
 
Lukeesther こんな幸せな日々もあった…
 
 
ブルースのミュージシャンと言われながら、ブルースのみならず、これまでフォーク、オールド・タイミーなジャズ、ロックンロールといった幅広い音楽にアプローチしてきたルークが『I’m Glad Trouble Don’t Last Always』では、アコースティック・ギターで弾き語るフォーク・バラードの「Heartsick Blues」以外はブルースを歌っている。
 
そのせいか、『I’m Glad Trouble Don’t Last Always』にはギターの腕前も含め、エリック・クラプトン、いや、ジョン・メイヤーのファンにも薦めてみたい魅力も感じられる。そこが今回のアルバムは新しい。
 
因みにエスターは現在、エスター・ローズ名義で音楽活動を行っている。
 
 
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I’m Glad Trouble Don’t Last Always(Bloodshot)

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SIMONE FELICEがプロデュースしたTHE LUMINEERSの新作が米英でNo.1に

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The Lumineers
 
 
お互いの作品に客演しあうなど、その後も交流が続いているとは言え、サイモン・フェリースが脱退したことで、フェリース・ブラザーズが失ったものは、かなり大きい。
 
そう考えている僕だからサイモンがルミニアーズの新作をプロデュースしていると知った時は興奮せずにいられなかった。
 
全世界で200万枚超のセールスを記録する大ヒットになったセルフ・タイトルのデビュー・アルバムに続く作品にプロデューサーとして、まだこれと言った実績を残していないサイモンを起用したところからも、ルミニアーズがどんなアルバムを作ろうとしていたかが窺える。彼らが今年4月、前作から実に4年ぶりにリリースした『Cleopatra』は、前作で印象づけたルミニアーズらしさが前作以上に感じられるものだった。
 
 
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Simone Felice
 
 
ルミニアーズのウェスリー・シュルツとジェレマイア・フライテスはサイモンが14年にソロ名義でリリースした『Strangers』に客演している。ふたりは以前からフェリース・ブラザーズやサイモンに一目置いていたという。
 
サイモンは彼らの新作をプロデュースするにあたって、彼らの音楽にふさわしいサウンドを作り上げることに何よりもこだわったそうだ。
 
レコーディングはサイモンが暮らしているニューヨーク州北部の町、パレンヴィルにほど近いラインベックにある丘の上のスタジオで行われた。サイモンやルミニアーズのウェブサイトにアップされたレコーディング中の写真の数々は、サイモンとメンバー達が文字通り膝を突き合わせ、レコーディングに臨んだことを伝えている。
 
レコーディングの合間にはバーベキューを楽しんだり、オートバイでツーリングに出かけたりもしたようだ。
 
だからなのか。『Cleopatra』には僕らの生活とは明らかに違う時間の流れが感じられる。僕がアメリカのロックを聴く理由の一つは、それだ。
 
『Cleopatra』はアメリカはもちろん、イギリス、カナダでもNo.1ヒットになった。今後、プロデューサーとしてもキャリアを追求していこうと考えているサイモンにとって、大きなステップになるにちがいない。
 
 
Cleopatra
Cleopatra / The Lumineers (Universal International)
 
 
7月1日にはプロデュースを手がけたバット・フォー・ラッシーズの『The Bride』がリリースされる。
 
ケイト・ブッシュやビョークをひきあいに語られることが多いイギリスのウィッチ系アーティスト。サイモンとにわかには結びつかないが、その意外さは逆にプロデューサー=サイモン・フェリースの今後の活躍を期待させる。
 
 
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The Bride / Bat For Lashes (Parlophone)

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ルーツ・ポップの新星、KYLE CRAFTが蘇らせるグラム・ロックの神髄

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ラグタイム風のピアノに胸が躍る「Eye Of A Hurricane」で始まるカイル・クラフトのデビュー・アルバム『Dolls Of Highland』。
 
そこそこグラマラスなルックスもさることながら、70年代のグラム・ロックを、その根っこにあるブルースやR&Bの影響とともに現代に蘇らせたポップなロックンロールの数々がクラフトの存在を際立たせている。上っ面をただなぞっただけではない。
 
曲作りの最大のインスピレーションになったというデヴィッド・ボウイを相当、聴きこんだにちがいない。デヴィッド・ボウイやT-レックス、あるいはモット・ザ・フープルの音楽を聴いたとき、華やかな見た目とは裏腹に感じる「意外に泥臭い」という戸惑いを殊更に強調していると言ったら、たぶんクラフト本人の狙いとは違うのかもしれないけど、そんなところも『Dolls Of Highland』の聴きどころ。ボウイと並ぶインスピレーションというボブ・ディランはボウイから遡った?
 
 
 
 
ルイジアナ州シュリーヴポート出身の27歳。フットボールやギターを弾くかわりにワニやガラガラヘビを獲っていた――とレーベルが作ったバイオグラフィーでは、おもしろおかしく誇張されているが、ロック・バンドなんてやって来ない田舎町の、毎週日曜日、教会に通う家庭に生まれ育ったクラフトは15歳になるまで、いわゆるポピュラー・ミュージックに興味を持つことはなかったそうだ。
 
そんな人生が一変したきっかけが友人からギターをもらい、Kマートで買ったデヴィッド・ボウイのヒット・コンピレーションを買ったことだった。ボウイの曲を聴いたクラフトは早速、オリジナル曲を作りはじめた。
 
その後、音楽活動ができる環境を求めて、ニューオーリンズ、テキサス州オースチンと渡り歩き、最終的にオレゴン州ポートランドに辿りついたクラフトが一旦、シュリーヴポートに戻り、友人の家のランドリールームでレコーディングしたのが『Dolls Of Highland』。トランペットなど、一部の楽器を除いて、全曲、クラフトひとりで全ての楽器を演奏している。
 
デモをきっかけに6年前から連絡を取っていたというサブ・ポップ・レコードにできあがったアルバムを聴いてもらったところ、若干のブラッシュアップを経て、リリースされることになった。
 
すでに米英のメディアはボウイ、ディランに加え、コックニー・レベル、スウェード、ドクター・ジョンらの名前を挙げながら、遅咲きの新人に注目しているが、こんな才能が27歳まで世に埋もれていたなんてちょっと驚きだ。
 
どこかノスタルジックなポップ・センスを閃かせる曲の魅力はもちろん、全曲、全力の熱唱というところが個人的には気に入っている。
 
 
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Dolls Of Highland (Sub Pop)

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«THE STRANGE BOYSの元フロントマン、Ryan Sambolがソロ活動を開始